カテゴリー別アーカイブ: お魚のこと

フリーマガジン「JP01」ではえ縄スケソ漁を学ぼう

無料で読めるフリーマガジン。「JP01」はほんとにタダでいいの?と思わせる内容が書かれてあるのですが、2017年冬号は檜山地方のはえ縄スケトウダラ漁(地元ではスケソ漁)の事が書かれてあるのでぜひお読みください。

はえ縄スケソ漁と言えば、実は岩内が発祥の地。30年ほど前までは岩内では50隻以上の船がありましたが、1990年代になって激減。今では3隻しかはえ縄漁をする船がありません。JP01で紹介している檜山地方も後を追うように毎年船数が減っています。

なぜ減ったのか?資源が枯渇してきた事はもちろん、雑誌にも書かれてあるように、網での漁獲と違って餌をつけた縄の仕掛けを作るのが大変。漁の手間も大変。縄をはく(海に入れる)技術は熟練技ゆえできる漁師がいなくなった。

弊社ではたらこを作る原料を今シーズンは釣の原料不足から、すべて網に切り替えました。近い将来このはえ縄スケソ漁そのものがなくなってしまうかもしれません。資源管理の議論は別の機会にするとして、この素晴らしい漁法の事は、ぜひ知ってもらいたいと思います。

アンコウが豊漁中

最近の岩内町の市場では、アンコウが豊漁です。他の水揚げが少ない中、なぜかアンコウが連日たくさん市場に入ってくる様は、ベテランの仲買人さん達も「こんなことは初めてだ」と言うほどのもの。

今時期はアンコウ鍋は体もあったまって、美味しく食べることができます。魚屋さんに並んでいるかな?忙しい時期なので私は確認できませんが、岩内にお住まいなら買い物のとき、魚屋さんに尋ねてみるといいです。

それにしてもこの顔つきと大きな口と鋭い歯。私が小魚だったら、見ただけで即死してしまうでしょう。そんな威圧感たっぷり。

深海魚と言われていますが、網にかかるのは深みではないそうです。なぜ今こんなに豊漁なのか、市場の先輩たちに聞いてもわからないということです。海の中に何かしら変化があるのでしょうか?そんな事を考えながらアンコウ鍋、いただきましょう。

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2016年11月釣スケソ漁が始まりました

岩内の冬の風物詩、釣スケソのシーズンが始まりました。言わずと知れた釣たらこの原料となるこのスケトウダラ。漁期は漁獲量制限もありますが、2月上旬くらいまで。

昔は100隻ほどあった船は今は3隻のみ。それでもなんとか頑張って出てくれています。残念ながら、この時期のスケトウダラの卵はたらことして漬込みができるようなものではなく、未熟卵がほとんどです。

写真を見て、はえ縄で釣りあげられたスケトウダラと網で漁獲されたものの違いがお分かりでしょうか?ニュースなどで道東などのスケトウダラを網で運び上げる画像が出たらよく注意してみてください。網のそれは体のまだら模様が薄く消えかけています。釣ものはしっかりとついていますね。

鮮度落ちした魚は魚体がやわらかく、くねくねしていますが、この釣スケトウダラは死後硬直して堅い身です。今年の漁はどうなのでしょうか?後数年後には、このはえ縄で漁獲されたスケトウダラを見ることができなくなるかもしれません。

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水産物は全道的な不漁で高値

最近マスコミで北海道の魚価が値上がりしているとよく流れているのを見聞きしませんか?北海道の代表的な水揚げとして、ホタテガイ、サケ、イカ、昆布といったものがあげられますが、いずれも不漁で水揚げが少なく、価格は反比例して値上がりしています。

魚種によっていろいろな理由がありますが、主な理由としてホタテや昆布は台風の被害などの影響。サケはロシア海域での流し網の禁漁から始まり、水温が高いせいか全道的な水揚げ不足。年末のいくら製造を予定していた加工業者も焦る一方。

イカは水温のせいか、各地で不漁となり函館のイカを原料とする業者さんも大変な思いをしています。岩内の市場でも、加工用の木箱(写真)が一箱1万数千円という値がつくほど。数年前は千円前後の値段が10倍以上の値になったのです。

弊社では、主として扱うニシンは北米からの輸入が中心。ですから、販売する身欠にしん、数の子の価格については昨年とほぼ同等とお考えください。マイナスイメージ先行で、魚離れになることが一番怖い事。みなさん、加工業者もがんばりますので、お魚を食べなくなる事だけは避けてください。

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2016年の秋サケ漁が始まりました

岩内の市場では、秋を代表するサケの漁が始まりました。まだ最初なのでそれほどの水揚げはありませんが、今後は少しずつ増えると思います。

さて、写真はサケのオスとメスの写真です。違いがお分かりでしょうか?人間と同じですよ。よく見れば、男性っぽい顔と、女性らしくやさしい顔。

市場では、一尾づつ選別をかけ、メスとオスに分けられます。オスは淡水を含んで体の色が変化する度合によって、A、B、Cと細分されます。そのほか、小、キズに分け、それぞれの入札にかけられます。

弊社では、岩内の市場に水揚げされたオスのサケを使って、サケトバを作っています。メスは卵に栄養をとられるので、トバを作るには、オスの方が適しています。ということで、一八のサケトバのご購入をお待ちしています。

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ナマコのお話

岩内町の市場では、さまざまな魚種の水揚げが減っていますが、ナマコの水揚げはそれなりにあります。価格も中国での需要が強いために、高値で取引されています。

正式名称は「マナマコ」。岩内ではナマコと言えば、「生子」と書いて「生助子(なますけこ)」の事を指し、生スケトウダラの子、いわゆるたらこの生の原料の事を言いますが、最近ではこのイボイボの海鼠が一般的になりました。

昔からナマコは薬効があるとされ、中国では陸の人参(朝鮮人参)と対比し、干しナマコは海参と呼ばれています。古書では強精剤としての効能が強調されていますが、外観の異様さからの思いこみのようで、真偽のほどは?です。試してみてはいかが?

岩内のナマコは他地域のものにくらべイボイボのとんがりが強いために、評価が高いのです。岩内の荒波の海で生き延びたからでしょうか。目先だけの漁でなく、資源管理をしっかりしながらの漁獲を期待したいものです。

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漁火で空が明るく

岩内港はイカ漁が現在豊漁で、連日数千箱の水揚げがあり、活気づいています。えっ?イカ漁って夏なんじゃない?と思われる方もいらっしゃるでしょう。

春は南から北上し、真夏を越えると産卵のために南下すると言われています。それで岩内沖が現在の魚場となっているようです。ちなみに、夏イカよりも現在のイカの方が身が肉厚になっています。

岩内の組合に属さない本州などから来る出稼ぎの船は「外来船」と呼ばれ、市場にとっては水揚げ手数料となるいい収入源となっています。それら外来船と地元の船が煌々と照らす集魚灯。それによって岩内沖の空が夜は雲が見えるほど明るくなっています。

私のカメラではその様子を上手に撮ることができないので残念ですが、夜岩内の北西の空をご覧いただければお分かりいただけると思います。それにしても、この寒い季節に船の上で仕事している漁師さんたちを想像するだけで、凄いなぁ~と思いますね。

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たら丸君は30歳で4代目?

今年、怒涛まつりでたら丸君の誕生を祝う会がありました。たら丸べに子は8月9日で30才。近年のゆるキャラブームの中にあって、かなりの先輩格であることは確かです。

着ぐるみもイベント出場が多くなればなるほど、劣化(老化)も早くなりあちこちにほつれ(スリ傷)などが目立ち、誕生30周年を機に新調されました。ちなみに本物のスケトウダラはほとんどが3歳か4歳魚が中心です。

ステージではお祝いに駆け付けた人気ゆるキャラが。小樽の運がっぱ君だけがプレゼントを持ってきてくれました。お客さんの中にもたら丸ファンがいて、お菓子の差し入れをしてくださった方がいました。ありがとうございます。

私は出場ゆるキャラのお世話係をしました。詳しくお話できないのが残念ですが、怒涛祭りの当日は蒸し暑かったために、どのゆるキャラも控室に戻ると大変でした。たら丸べに子は30歳を越えて脂がのってきました。二人(二匹)に会いに岩内に来てくださいね。

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魚偏の漢字について

20年以上前に北海道水産物荷主協会という会合でいただいたと思われる風呂敷が出てきました。そこには、魚偏で書かれたたくさんの漢字が並んでいました。

よくお寿司屋さんの大きな湯のみや割り箸入れの紙に書かれてあるものは今でも見かけます。みなさんはこの魚偏の漢字をどれくらい読むことができるでしょう?

数の子は「鯑」。めったに食べられないから“まれ”だと思ったら、細かいという意味でつけられたらしい。ニシンは「鰊」と「鯡」の二つの文字があります。中国では鰊は小魚を意味するようで、鯡は魚にあらざるという、米何俵にたとえて勘定されていたから。

さて、あなたにとってこの魚偏の好きな漢字はありますでしょうか?私は旨いがやっぱり一番ということで、お寿司(鮨)でございます。

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イカ漁の荷揚げ

現在、岩内漁港ではイカ漁で活気づいています。早朝から次から次へと船が岸壁に着くと、荷揚げにかかわる人たちが集まり、手際良く荷分けされて、セリが行われる市場の建物の中に入っていきます。

写真を見ると、3つのパレット(フォークリフト用の台)がおかれていて、イカが詰められた発砲の容器は20尾、25尾、30尾入りと分けて積まれていきます。

発砲を扱う資材屋さんも朝4時から港で待機し、船が着くと注文数をパタパタと運びます。怒涛祭りで行われるイカ発泡の積み上げレースは、この様子がヒントで生まれました。

荷揚げに仕事が集中するために、漁協OBや役場OBなどもアルバイトでお手伝い。漁がなくて寂しいよりも、活気がある方がやはり市場らしくていいものです。7月8日9日の岩内神社祭りに向けてどんどんイカ船が集まってくると思います。

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