カテゴリー別アーカイブ: お魚のこと

野束川の流れ

ニセコの山はたくさんの雪を蓄える場所。それは、生態系にはとても大切な役割をしています。今時期はその雪解け水が河川に流れ込み、海へと行くことにより、山の栄養分が海の栄養となっていくのです。

えりも町が人為によって砂漠化された土地を、植樹によって緑が回復し、さらには漁業資源の回復と資源の品質向上となったお話はあまりに有名です。

岩内町の水産資源が少なくなった理由は様々で、原因はひとつだけではありません。わかっているとことは、海水中のプランクトンの数が少なくなったこと。それは小魚のえさがなくなり、中型の魚のえさもなくなった、磯焼けによる藻場も消滅。

毎年この時期、この写真に写る野束川の流れを見ると、岩内沖の海と資源について考えさせられます。ところで、岩内町の水道水って美味しいでしょ?地元の人はわからないかもしけないけど、異動で来られた方はどう思います?

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身欠にしん春需要の季節です

水産関係の業界紙「みなと新聞」に、ニシン特集の記事が掲載されました。毎年山菜シーズンの到来とともにニシン特集を組み、紙面2枚を使いPRしています。

今年、ホッケや他の乾物系の商品が値上がり傾向にあるのに対し、ニシンは比較的安定した供給ができるために値ごろ感があります。ただ、需要がそれほど伸びていないのは、食べやすさ、食べる機会を増やす努力が必要ではないかと書かれてあります。

ところで、身欠にしんと山菜との炊き合わせという言葉、「炊く」はお米以外に使わないのでは?と思いしや、煮る感覚とは違った意味があるようですね。地方によってもその解釈が微妙に違うようで、調べてみると面白いです。

いずれにせよ、身欠にしんはそんな料理方法の言葉一つとっても奥深く、歴史あるもの。だからと言って、若い方は敬遠せずに昔ながらの食べ物にもう一度目を向けて食べてみてください。最近出回っているサプリメントよりも効果あると思いますよ。私たち生産者も、食べてもらえる努力をし続けないとね。

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にしんお殿

岩内にしん商品開発プロジェクトと称し、元北海信金職員の佐々木達也氏が進める岩内の身欠にしんを使った町興し。2月22日に岩内にしんフェアを開催します。

先日、佐々木さんが手作りのにしんフェアガイドブックを持ってきてくれました。このプロジェクトの主旨やにしんの歴史などがまとめられています。その中に「にしんお殿」というキャラクターの解説がありましたので文面そのままご紹介します。

にしん場、繁栄の象徴である「にしん御殿」をもじり「にしんお殿」としました。“チョンマゲにしん”は、伝説ではありますが、大時化の中で遭難の危機にあったとき船頭がチョンマゲを切り落とし大海に投じたら、いつの間にか静まったとのことです。にしん活用により“商売繁盛祈願”としました。背景は、雷電の弁慶刀掛岩です。

と、書かれてありました。我々生産者側が作ったものではなく、消費者側から生まれたというのがいいですね。ただ、ニシンが頭から落ちちゃうと心配しながら見ているのは、私だけでしょうか。

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釣スケソの一本立ち

釣たらこの原料、はえ縄で水揚げされたスケトウダラ。いかに鮮度がいいかを今日はお話いたします。

ご覧の写真は、岩内のはえ縄のスケトウダラ。入札前に撮ったものです。死後硬直をして、ピンと一本に立っています。それほど、鮮度がいいのです。普通、スケトウダラの映像を見ると、くたらっとして、持つとだらんとしています。さらに、ご覧のような独特な模様も落ちて見ることができません。

魚の鮮度を計る方法に、K値というものがあります。「北のお魚大使」の試験の時に出題された問題でもあります。机の端っこに魚体の半分を置いて、残りの半分がどれくらい曲がるかを計り、その値を計ります。K値は低いほど鮮度が良いとされています。

このスケソはたぶんK値はかなり低いはず。目は黒々。エラは真っ赤。魚の鮮度良好の目印はすべてクリアーしています。いかがでしょう?食べたくなりましたね。

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秋イカが豊漁中です2014年

朝、7時過ぎに市場前を通ると、イカ釣船がどんどん入港して来るのが見えます。あまりご存知ない方には、あれっ?イカ漁って夏じゃないの?と思われるでしょう。実は今も旬なのです。

おいしさは夏と秋ではどっちなの?という疑問が当然出てきますね。私もあまり詳しくはないのですが、うまみは同じではないかと思います。ただし、秋イカのほうが肉厚なために、その料理、加工の方法によっては、秋イカのほうがいいかもしれません。反対に、イカソーメンのような刺身で細くするには、夏イカのほうがいいと思います。

夏の風物詩、イカ漁の漁火というように、私たちはイカのお刺身は夏に食べるものという先入観があります。地元のお魚屋さんに聞いても、イカの刺身は冬はあまり売れないと言います。

今、岩内港にはイカ船が多いので、沖合の漁火がとても明るく北の空の雲が見えるほどです。と言っても、明日からいよいよ大荒れか・・・

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スケソはえ縄漁が始まりました

岩内の特産品「釣たらこ」の原料となる、スケソウダラ漁。2014年11月10日が初水揚げとなりました。

今年、岩内のスケソはえ縄漁の船は三隻のみ。かつては100隻を超えた船でにぎわった漁港も寂しい限りですが、岩内の釣たらこを守り続ける漁師さんたちは頑張っています。

毎年の復習になりますが、はえ縄漁のスケソウダラのたらこはなぜおいしいか?網だと海中で死んでしまいます。また、他の魚とこすれてウロコも落ちてしまい、鮮度低下が速くなります。悶え死ぬ時には、おいしくない成分が魚体に回ります。それに対し、はえ縄だと一匹ずつ生きたまま釣り上げられるので、鮮度抜群。

でも、手間がかかるのです。エサの仕掛けを作る手間。縄を降ろす手間、引き上げる手間。釣り上げた後の手間。どうか、消費者のみなさん、はえ縄漁にはそんな背景を感じながら、「釣たらこ」をお召し上がりください。

写真は11月11日。まだ雪がないので港に揚げる作業もそれほどきつくないですが、寒くなってくると、大変な作業なのです。漁師さんたちは、その厳冬の中、船上で作業をするのです。そりゃ~美味い「釣たらこ」ができるわけですよね。

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数の子のエンジェルウイング

年末用の数の子の製造がいよいよ本格的に始まります。今日はその数の子の話題をひとつ。

CPKA(カナディアン・パシフィック・カズノコ協会)が6月に行った数の子のセミナー会場で、数の子を使ったお料理の試食会がありました。いくつか並んだお料理の中に、「エンジェルウイング」と書かれたものがありました(写真)。

カナダでは、ニシンから取り出されたひと組のカズノコが、天使の羽根に似ていることから、「エンジェルウイング」と呼ばれているようです。写真の天使の体の部分は、大根を上手に形取ったものです。一人の天使にカズノコをふたつつけるほうが、羽根らしいと思います。

ちょっと季節的には早い話題でしたが、私たちは数の子モードに突入して仕事をしております。年末にはぜひ一八の塩数の子をお求めください。味付数の子は年間を通して販売しておりますので、こちらもご利用をお待ちしております。

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CPKAカズノコセミナー

先日、札幌でカズノコのセミナーを聞いてきました。講演は二人でしたが、一人は北海道大学の宮下和夫教授のカズノコの栄養機能性について。今日はその宮下先生のお話を少し紹介いたします。

カズノコに含まれるコレステロールは、高くも低くもなく平均的。過剰摂取を心配することはない。どんな食べ物にも光の部分と影の部分があり、消費者に正確な情報を伝えなければならない。ということです。

むしろ、カズノコはEPA、DHAの含有量が多く、アミノ酸スコアーが高く、脂質代謝改善作用を有して・・・・眠くなってきましたか?要するに、カズノコって、ニシンの卵。様々な栄養成分が凝縮されていて、マイナス要因よりもプラス要因が圧倒的に大きいのです。

一日10キロも連日食べる人はいないですよね。普通に毎日食べていれば、人間にとっていいことの方が多いわけです。ということを実験の数字を示しながらお話いただけました。大切なのは、私たち生産者もこういう知識をしっかり学び、お客様にわかりやすい言葉で伝えることなんですよね。ご理解いただけました?

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2014年イカ釣り漁が始まっています

毎年、6月になって北海道の函館からイカ釣り漁が始まります。北海道の日本海側では、冬に獲れるヤリイカと夏場に獲れるスルメイカがありますが、漁獲量では圧倒的にスルメイカが多いです。

岩内でも少しずつイカの漁が増えてきています。港に行くと、見たことのない船が数隻。いわゆる外来船と呼ばれる岩内に所属していない船が停泊しています。イカ釣りの船は、漁のある場所を渡り歩いているのです。

夜ともなると、沖合に明かりが目立つようになりました。これぞ夏の風物詩、漁火です。7月7日~9日にある岩内神社祭り前後には、イカ釣りり船がどんどん多くなります。

まだイカの型は小さいですが、トロトロの朝イカのお刺身を食べることもできます。円山の温泉に入りながら漁火を眺めることもできます。ですから、岩内にいらっしゃいませ~。

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みなと新聞のニシン特集記事2014版

水産加工の業界紙のひとつ、「みなと新聞」にニシン特集の記事が2ページにわたり、記載されました。毎年、今頃に組まれる特集です。郵便で送られてくるので、折り目が固く、写真は見にくくてごめんなさい。

右下の方に、一八の屋号があるのがお分かりでしょうか?弊社も広告として掲載されています。また、このブログでもお知らせをした、コープさっぽろの情報誌、「Cho-co-tto」のニシン特殊のことも紹介されています。

実は、この取材担当記者A氏は、前職からの付き合いでして、弊社に取材に来た時にこの冊子のことを教え、ぜひ編集部へ取材に行ったほうがいいと勧めました。

いろんな形で、ニシンの消費が進むように相乗効果で盛り上げられればいいですね。私たち加工屋も、ただ作るだけでなく、おいしく食べてもらうにはどうしたらいいかをもっと考えなければならない時代になっていると思います。

ちょっと難しいこと言っちゃったけど、この季節身欠にしんは山菜との炊き合わせが、一番おいしいですよ~

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