カテゴリー別アーカイブ: お魚のこと

NHKの番組、「うまいッ!」で岩内のスケトウダラの紹介

 日曜日朝のNHKの番組、「うまいッ!」で、岩内のスケトウダラについての放送がありました。弊社での取材はなく、同業者数社と岩内町のお店などで取材がされたようです。

 番組は、キャスターの天野ひろゆきさん、武内陶子アナウンサーを始め、リポーターに2名。専門家ゲストに水産庁職員の上田勝彦さん。5名が、岩内町のスケトウダラについて、いろいろと取材の映像を交えながらお話を展開していくというもの。

 はえ縄漁のスケトウダラで作られるものがなぜ美味しいか。釣たらこ、タツカマ、みりん干し、などが美味しそうに紹介されました。

 一般的には、スケトウダラというのは、たくさん漁獲されてかまぼこの原料になるというイメージがあるようですが、近年は資源管理の対象魚種に。はえ縄漁は獲り過ぎがなく、鮮度がよく、さらに付加価値の高い商品がつくられていると言ってくれました。

 おかげさまで、「岩内・釣たらこ」などという検索ワードで、弊社のホームページにもアクセスが多くなり、翌7日はお電話での問い合わせもたくさんありました。ありがとうございます。

岩内町の20世紀写真集より~スケソウ出漁船名簿

 現在3艘で行われている岩内のスケソはえ縄漁ですが、昔は多くの船が出漁したために、どの場所で漁をするかは、ローテーションを組んで行われていました。

 20年前、50艘の船があった時、上(かみ)、下(しも)など大きく3つのブロックに分けられ、漁船が振り分けられていました。「二つ山ホイ」などという、漁師さんたちだけが理解できる場所などもありました。教えてもらった時、二つ山が見える場所から沖合という意味だったと思います。

 潮の状態などによって、その日のいい場所が変わり、4寸箱に入っているスケソウダラのメスの比率が変わります。メスが多ければ、それだけたらこの原料が多く出るので、高値で入札されるということになります。

 漁船が少なくなると、黒板にチョークで書かれるように変化していきました。今は3艘なので、書くまでもないでしょう。しかしたくさん漁獲があれば漁師さん達は辞めなかったでしょうし、後継ぎもいたかもしれません。魚がいなくては何も始まらないのです。資源というものをもっと長い目で見て、大切にして行かなければならないとつくづく感じます。

12月のイカ漁

 イカ釣り漁を象徴する漁火。漁火と言えば、夏の風物詩のようなイメージがありますが、今岩内ではその漁火が夜になると煌々と輝いています。

 寒いこの季節に船の上で漁をすることを想像しただけで、凍えてしまいそうですが、漁師さん達はがんばっていますね。その寒い中で作業をするので、鮮度も抜群な状態で水揚げされます。

 写真は11日の朝7時頃の岩内港の風景です。船に雪がうっすらとかかっていますね。この日はシケで出漁しなかったので、雪が残っていました。

 日本海を回遊するイカは秋生まれ群と冬生まれ群で構成されているとのことですが、今岩内沖に来ているのは、どっちでしょう?久々の北のお魚大使の話題も、これではダメだしされてしまいますね。美味けりゃいいよね!

「ゆるキャラグランプリ2012」のたら丸は506位でした

 ゆるきゃらグランプリ2012の結果が出ました。11月25日に埼玉県羽生市で、ゆるキャラサミットなるものがあって、その場で結果発表と表彰が行われたようです。エントリー数865体。たら丸は残念ながら、506位でした。

 画像を見る限り、たら丸は出張していなかったようですね。11月からはスケトウダラのシーズンが始まったので、忙しくてそれどころではなかったのでしょう。

 それにしても、800番台ともなると、10数ポイントしか入っていないキャラくターもありました。それって、担当者自身もそのゆるキャラに対する愛情はないのでしょうか?ちょっと可哀想に思えます。

 我がたら丸は717ポイント。一日1回の投票ですから、関係者が連携して計画すれば、もう少し得票を伸ばせたのかも知れませんね。私としては、一般の人にはなじみのない、北海道ハサップ君に負けたのが悔しいのです。

 とはいえ、このようなイベントに振り回されずに、しっかりと人気を維持してほしいと思います。ねぇ、たら丸君。次は何かで目立つ事を期待しているよ。「継続は力なりだよ~」

サケ変身、戦闘モード

 このサケの顔をご覧ください。前回、サケの婚姻色への変化のお話をしましたが、色だけではなく、体つきも変化して来るのです。「鼻曲がり」と称する口が伸びて上の歯が鋭くなり、顔がたくましくなってきます。

 川に遡上したサケは、メスは産卵の場所を探し、川底に産卵場所を確保します。オスはそのメスに近寄って求婚するわけですが、他のオスとの戦いが始まります。体当たりしたり、かぶりついたりしてケンカをするのです。そのために、自らの体を変身させるのです。おお、サイヤ人がスーパーサイヤ人になるがごとく。

 こうして変身までして子孫を残すために遡上したサケは、産卵、放精して自らの使命を果たします。しかし、海には戻らずそこで一生を終えます。その体は、さまざまな動物たちの餌になったり、分解されて植物の栄養になったり、自然のサイクルに入っていきます。

 やっぱりサケって、すごい人生だよなと思います。ただ、夫婦むつまじくという愛情はあまりなく、自分の子孫を残す本能的な行為のほうが優先しているようです。うーん、この手の話は苦手だ。  

サケの婚姻色への変化

 サケが生まれた川に戻ってくるお話は、みなさんよくご存知でしょう。川は淡水、海は海水なので、遡上する前に徐々に淡水に体を慣らしていかなければなりません。

 ですから、河川の入り口付近で、遡上せずにサケがのんびりしているように見えるのは、淡水にならそうとしているのですね。登山で言えば、高度順化するのに、ペースキャンプでしばらく体を慣らすのと一緒です。

 同時に、子孫を残すためのオスメスの体つきがどんどん変化していきます。写真でもおわかりのように、体色も下から銀毛だったものから、黄褐色へと変化していきます。婚姻色とも呼ばれています。人間の視点で言えば、ブナ化すると言います。ブナ化が進めば、それだけ美味しくなくなります。

 産卵のためにほとんど餌も食べずに、遡上するために、今まで蓄えていた栄養をどんどん使ってしまうからです。そんな生命力は凄いですね。今年の漁はあまり多くはないですが、サケの切り身を召し上がる時、ちょっとそんな生命力を感じながら、お召し上がりください。

数の子はコレステロールが高くない

 一般的な知識として、卵はコルステロールが高いというイメージがありますが、写真の社団法人日本栄養士会が発行した食育リーフレットNo.3では、カズノコは意外に低いんですと書かれてあります。

 100gあたりの含有量は、鶏卵が420mg、いくらは480mgに対し、カズノコは230mg。学術的な事をここで書くと、誰も読んでくれなくなってしまうので簡単に書きます。カズノコにはEPA、DHAが非常に多く、体内でのコレステロールの分解、排泄を早める一方、合成を抑える働きをしてくれるというもの。この文章でも難しいですか?

 要するに、カズノコそのものにコレステロールは含まれているが、分解や合成抑制する成分のほうが多いので、体にいいぞということです。

 数の子のメーカーである私が言うのもおかしな話ですが、最近どんな食べ物でも~~によく利く成分が多いとかという研究発表が多いですね。消費者のみなさんは、だからといって、そればかり食べるのは良くないことだと覚えておいてください。

 いろいろな美味しいものを幅広く、最近は肉に偏りがちなので、少しずつでいいので、魚を食べる回数を増やしてくれると、私たち水産加工業者も嬉しいですし、皆さまの健康にもお役立て出来ると思います。

秋アジ漁いまいち

 秋に漁獲されるサケ(鮭)漁。通称、アキアジ(秋味)。呼び名がいいですね。でも、今年はまだ数量の伸びがなく、漁業関係者の表情がいまいちです。

 最近の天候も、スカッとした秋晴れではなく、曇り空。なおかつ湿度、温度ともに高いままです。魚は水温に敏感でして、1℃の違いでも泳ぎたくないと思ってしまうようです。

 写真は、定置網漁の船から、タンクに鮭を移しているところです。この後、オスメス、キズなどに選別され、入札にかかります。いわない道の駅だけで販売している弊社の「サケトバ」は、このオスだけを使って、作っています。

 なんでオスだけ?メスは卵に栄養を取られるので、親はオスのほうが美味しいんです。いわない道の駅では、今年の原料で作ったサケトバがすでに並んでいますよ。皮なし、ひと口サイズで食べやすく作っています。

 岩内に来られて、雨乞いではなく、秋空乞いをしながら、ぜひお求めを。

中央埠頭の釣り客

 岩内には釣り客がよく来ています。写真は中央埠頭と呼ばれる場所です。このほかに釣り客が多いのは、今はフェリーが来ないフェリー埠頭と呼ばれるところです。

 今、何が釣れているのか?・・・・わかりません。それでもお前は、「北のお魚大使」か?でも、釣り情報については、たぶん釣りキチの皆さまのほうが、よくご存知かと。

 ついでながら、漁師さんたちのサケ漁は始まっていますが、まだまだ水温が高いせいか、漁獲の数字が伸びません。全道的に不漁のようです。後半の巻き返しに期待しましょう。

 写真の釣り客の様子はこの写真では分かりにくいですが、昨日午前中ののどかな風景です。釣り客の皆さま、ゴミはきちんと持ち帰りましょうね。そして、岩内町でのお買い物、お食事をしていただけると、嬉しいですね。

カスベの顔

 カスベと聞いて、皆さんはどんな魚を想像しますか?都会の人には「エイ」と説明すればよいでしょうか。ひし形の平たい奴です。私が東京在住時代、居酒屋などでエイヒレなんて注文をすると、乾燥し細長く切ってあるものが出て、マヨネーズなどをつけて食べた記憶があります。

 写真は岩内の市場でセリにかかる前のカスベです。とても愛嬌のある顔でしていると思いませんか?じっくり見ていると、思わず微笑んでしまうこの顔?の目に当たる部分は、目ではないんです。目は、反対側の茶色の方についています。

 お魚屋さんでは、皮がむいてあり、煮付け用として売られているのが多いかもしれません。正式名称はメガネカスベ。ひれの部分が若魚のとき目玉模様が出ているのが名前の由来とされています。

 岩内では、メスをマカスベ、オスをドンと呼んで区別して呼んでおり、メスの方が美味いとされています。オスメスの違いは、解説が恥ずかしくなるので、やめておきます。と書くと、想像力豊かな皆さまはすぐお分かりですね。