カテゴリー別アーカイブ: お魚のこと

海とさかな自由研究・作品コンクールの新聞記事

 写真は、水産業界の専門新聞「みなと新聞」平成23年12月28日付の記事です。朝日新聞社の主催、大手水産会社が協賛して、小学生を対象に 『 海 と さかなと わたしたち 』 というテーマで、自由研究、観察図、作文、工作、絵画、絵本、音楽などで『表現』するというもの。

 海とさかな自由研究・作品コンクールのホームページには、このコンクールがどのように生まれたかの記述があります(誕生のエピソード)。それを読むと、せっかく私は「北のお魚大使」の試験に合格して、大使として称号をもらったのに、何をやっていたんだと反省させられます。

 コンクールに応募すると、全員が海とさかな博士号の認定書をもらう事が出来て、入賞すると図書カードと東京ディズニーリゾートへ家族で招待されるらしです。毎年行われているので、ぜひ小学生のお子さんをお持ちの方はチャレンジを。でも、親御さんがディズニーリゾートに行きたいからと、手伝い過ぎてはダメよ。

 私たち加工業者は、魚ばなれが深刻なのに、人事のように売れないとぼやくだけ。弊社のようなちっぽけな会社ができることなんてしれていますが、何もしないのは罪です。ちょっとでも役に立てられるよう、今年は子供たちに魚に興味を持ってもらえる何かをしたいと思います。

数の子の食育リーフレット

 数年前に、食育をテーマにしたリーフレットが届きました。社団法人日本栄養士会が企画編集発行しているものです。そこには、カズノコについての説明がわかりやすくされていました。

 ここ数年で、数の子を食べなくなった、魚を食べなくなったという人が多くいます。魚の知識をもっと知ってもらえれば、興味が出て、魚を食べてもらえるようになる。さらに生活習慣病の予防にもなるという利点もあるのです。

 私がこうしてブログに魚の事を書いていること、北のお魚大使の試験を受けた事などは、そんな魚の知識をもっと皆さんに知ってほしいという単純な発想からでした。

 リーフレットには、コレステロールが高いと思われてたカズノコは、意外に低いことが分かったなど書かれています。肉中心ではなく、バランス良くEPAやDHAが豊富に含まれているカズノコや魚類を取る事を勧めています。

 リーフレットは、CPKA(カナディアンパシフィックカズノコ協会)のホームページで見る事ができます。一八の商品は、なんとDHAとEPAが豊富なものばかり。みなさんの健康をお手伝いする、一八の商品なんですね。

たつかまの新聞記事

 12月6日の後志版にたちかまの話題が出ました。岩内では、スケトウダラの白子のことを、「たち」ではなく「タツ」と言います。なぜかはわかりませんが、親魚のスケトウダラも、スケソウダラ(一般的な会話ではスケソ)が正式名称だと思っている人もたくさんいます。

 記事にも書いてありますが、30数年ほど前は、たらこの原料となる生子を取りだす作業をして、「タツ」がたくさん出ると、女工さんたちに持たせたり、ご近所に分けたりしたのです。そこで、器用な人はそのタツをかまぼこにしたものです。

 この数年間、ずいぶんTVなどのマスコミで岩内の「タツかま」が注目され、商売で販売しているところは、注文をかなり待ってもらっている状態が続いているようです。追い打ちをかけるように、原料のスケソの漁が低迷しているのですから、皮肉なものです。

 この「タツかま」(タツのままぼこ)は、網で獲ったスケソではできないと言われています。網のスケソは、海中で死んでタツに海水が多く含まれてしまうからだとのこと。岩内の釣スケソならではですね。

 大変申し訳ありませんが、弊社ではタツかまは販売、取扱はしておりません。釣たらこはもちろん、製造、販売しております。

いか船が集まっています

  外来船という言葉が港には存在します。黒船のような海外からやって来た船ではありません。その港に属する船ではない、他所から来た船の事を言います。

 岩内港では、いまスルメイカ漁が豊漁になっています。みなさんが普通イメージするのは、夏の風物詩の漁火でしょう。ですが、近年は12月頃まで岩内沖でのスルメ漁が行われています。

 岩内港に属するイカ船は、漁のあるところを北上したり、南下したりします。もちろん、毎度母港となる場所まで戻って水揚げするのではなく、その土地の港に水揚げするのです。いうなれば、漁師さんの出稼ぎというやつです。

 遠くは岩内の船が長崎まで行ったり、逆に長崎の船が岩内に来て漁をしたりするのです。それを外来船と言います。

 外来船が来るということは、イカの漁があり岩内の市場でセリにかかる数量が伸びます。港も活気づきます。また、船の人たちが滞在することによって、生活費が町に落ちるという経済効果もあります。ですから、やはり海は豊であってほしいのです。

スケトウダラ漁が始まりました

 岩内の特産品、釣たらこの原料となるスケトウダラ。その漁が7日から始まりました。昔、多い時には100隻の数を超えていた、はえ縄スケソウダラ漁の船も、今年はとうとう3隻まで減ってしまいました。

 はえ縄という漁は、網と違って1本の縄に何本もの餌のついた釣針をつけ、それを海に流し込みます。時間をおいてから、その縄を回収すると、スケソウダラが生きたまま上がってくるというものです。

 網の漁は、海中で死んでしまいます。ですから、はえ縄で漁獲するほうが、断然鮮度がいいスケトウダラなのです。しかし、はえ縄の仕掛けを作る手間や漁の効率は、網の漁に比べれば、格段に悪いのです。

 水揚げが少なくなった理由は一つだけでなく、さまざまな要因が複雑に絡んでいるとされています。少なくなったスケトウダラ漁をなんとか踏ん張って続けている漁師さんには、かけた経費の下にならない漁があってほしいと願います。

 写真は初水揚げのスケトウダラです。一番下をご覧ください。釣針がついています。卵はまだ未熟ですので、たらこの原料にはなりません。やはり寒くならないと、卵も熟してきませんね。

身欠にしんの栄養成分

 このブログでは、ニシンで作った味噌状の調味料「にしんのおかげ」の話題が多いですが、弊社の本業は身欠にしん加工です。毎日身欠にしんと数の子を作っているのですが、今日はニシンの栄養成分について。

 一般的なニシンに多く含まれる成分としてあげられるのが、ビタミンA、B2、D、E、カルシウム、鉄、DHA、EPA、セレンといったものです。ビタミンのお話は、たぶん皆さんの方が詳しいので、今回はDHAとEPAについて。

 赤身の魚に比較的多いとされるDHAとEPA。その中でも、ニシンはその含有量が突出しています。DHAはドコサヘキサエン酸と呼ばれ、脳細胞を活性化させる機能をもっています。EPAはエイコサペンタエン酸と呼ばれ、血液凝固防止、コレステロール低下などの機能を持っています。

 平たく言えば、DHAは頭が良くなるぞ、EPAは血液サラサラになるぞと言うことです。お子様には、ニシンを食べて頭がよくなる、お父様には、脳血栓の防止だよと言って食べさせるのです。

 能書きよりも、食べて美味いのが一番ですね。美味くて、食べながらこんないい成分もニシンにはあるんだよとご家族にお勧めください。ということで、今夜のおかずは、一八のソフト身欠にしんですね。ご注文をお待ちしています。

サケのオスメスの区別

 秋サケ漁も終盤に差し掛かりました。昨年に続き、今年も漁の数量が伸びないと新聞でも報じられています。主力である4歳魚の回帰が少ないとのこと。今後どのようになるか、見守りましょう。

 さて、魚のオスとメスの見分け方はどのようにするか、その魚種によってさまざまな見分け方があります。今日は代表的なサケについてです。

 写真を見てどちらがオスかわかりますか?正解は左です。顔の表情が、左の方がとんがっていて、勇ましいですね。歯も大きく強そうです。右のメスは丸みを帯びてやさしそうな印象が持てます。

 このほかにも、あぶらピレの大きさ、尾びれのVの切れ込み角度の違いなどあります。人間と同じように、生命とは、オスメスのそれぞれの役割によって形も変わっているというのは、不思議ですね。

 ということで、そんなオスメスを意識して今晩のおかずは、サケの切り身でしょうか?おつまみには、弊社商品のサケトバをお勧めします。岩内道の駅限定商品で、岩内産のオスのサケだけを使った商品です。

イナダをいただきました

 先日、イナダをいただきました。ブリの小型魚です。と書くと、いや違う、これはハマチだ、ニマイズルだとか、いろいろと言われそうです。

 世間で言う、出世魚の代表格ですね。地方地方によって、その呼び方と大きさによっての名前が異なる魚の代表格と言えます。その名前と地域について語ると、いろいろありそうなので、ここでは省略させていただきます。

 久しぶりに「北のお魚大使」の教科書からの抜粋です。ブリは回遊形態から、日本海、太平洋、東シナ海の3つのグループに分かれます。日本海グループの産卵場所は九州沖南西諸島。大回遊は3歳になってから。

 7月~8月は適水温(14℃~19℃)と餌を求めて道南日本海側まで北上し、9月~10月には北部日本海に達し、その後日本海を南下し、11月には北海道を離れます。北海道では、体長35cm前後のフクラゲと呼ばれるものが漁獲されます。

 昨年、寿都町で、大型のブリが市場からはみ出るほど大漁になった事がありました。不思議な事にこの回遊についはまだ解明されていない事がたくさんあるようです。さて、久しぶりにお刺身を作って食べよっと。

 

輸入魚は高くなった?

 ついぞやのニュースで、最近の輸入魚の値段が上昇気味だと流れておりました。円高なのに、なぜ?ですよね。

 世界的に見て、魚は肉に代わるタンパク源として、見直されています。ニュースでは、マグロ等は中国の富裕層がお寿司を食べるようになったので、値段にかかわらず、消費されるとの事。また、欧米での健康志向もあると報告していました。

 一方、日本では、調理するのが面倒などの理由で、消費は落ち込んでいます。結果、海外での買い付けで日本は負けるといった構図になっています。

 しかし、みなさん、ニシンはまだ安く輸入されているのです。数の子を評価して食べるのは日本人だけなのです。しかし、ニシンと数の子の消費が落ち込み年々買付価格が下がって、米国、ロシア、オランダ等では日本だけに向くことはなくなってきています。事実、食糧難対策として、ODAのお金を使い、アフリカにニシンが運ばれるという現象も出ています。

 輸入ニシンを使って商売をしている私たちももっと皆さんに食べてもらう努力をしなくてはいけませんが、今のような安い価格でニシンを食べることができるのも、あと数年かもしれません。ですから、もっとお魚を食べましょう!身欠ニシンを食べましょう!

サンマの美味しさの見分け方

 サンマの季節になりましたね。岩内では残念ながらサンマは獲れませんが、道東から岩内の市場に入ってくるものがあります。値段はまだ高いですが、今回は北のお魚大使の教科書に書かれてある、鮮度の良いサンマの見分け方というのをご紹介します。

1.鮮度の良いサンマは黒目の周りが透明で澄んでいます。黒目の周りが赤っぽく、濁っているものは避けましょう。

2.エラぶたの上の背肉がこんもりと盛り上がり、ずんぐり型が脂がのっていて美味しい。

3.背に当たる部分全体が青黒く、艶やかで張りがあるのは鮮度良い。

4.尾部端の部分が黄色をしているものが脂がのっていて、美味しい。

5.口先の先端部分が濃い黄色をしていいるものが、脂がのっていて美味しい。

6.腹部にあたる部分が銀白色をしていて、しっとりとして張りがあるのが鮮度良く、鱗が取れぶよぶよしているのは鮮度が悪い。

7.全体が太めで、ずんぐりとしているのが、脂がのっていて美味しい。

 これらは、一般的な指標であり、実際は違う場合もあると思います。たとえば、5の口先が黄色になっているものが美味しいとありますが、黄色くなっていないものはダメかというと必ずしもそうではないと思います。また、太めで美味しそうに見えても、冷凍物だったら、生に比べれば落ちると思います。

 そんなことを考えながら、食卓で家族の皆さんとサンマのお話しながら、食べていただければ、何よりと思います。これを読んだお父さん、これで今夜は即席「北のお魚大使」ですね。