カテゴリー別アーカイブ: 会社のこと

アグ・デ・パンケ農園からの贈り物

 紫のアスパラが、アグ・デ・パンケ農園から届きました。みなさんは食べたことがありますか?私は、初めてなので、これから食べます。とても楽しみです。

 神戸から野菜作りをするために移住してきた高橋さん。同じ後志管内の蘭越町の人里離れた熊が出るところに畑を持っています。たまたま北海道の食のイベントで奥さまが実体験の講演をされたのを聞きました。とても緊張されて話されていましたが、私がにしんのおかげを作り上げたときの苦しみとダブるところがあり、声をかけさせてもらいました。

 そんなことからのお付き合いが始まり、ニシンの不可食部分の肥料を買ってくれました。無農薬の畑に入れてみるとのこと。実際、どれくらいの量を入れたらいいか、私はアドバイスできませんが、高橋さんは見事にこのアスパラをたくさん育て上げました。今までにないくらい収穫があったとのこと。

 嬉しいですね。地産地消の一つの形が生まれました。北海道の土地に希望を持って移り、野菜作りで御自身の考えをまっすぐに突き進む姿勢。私たち道産子が本来持っている魂を神戸から来た御夫婦が持っています。

 アグ・デ・パンケ農園さんです。一度ホームページを覗いてみてください。

藤女子大へ初訪問

 先日、石狩にある藤女子大学にお邪魔させていただきました。にしんのおかげが商品化する前からいろんな事でお世話になっている中小企業基盤整備機構(略称:中小機構)が、こちらを紹介してくれました。

 手稲駅からバスに揺られること、約20分。まわりはコンビニも飲食店もありません。中小機構の担当者との待ち合わせまで、うろうろしていたら不審者に思われるのもイヤだし、一人で学内に入って不審者に思われるのも困るので、とった行動は「読書」。

 お会いした先生は私のお話をじっくり聞いてくださり、私が抱えている問題について、一緒に研究をしてくださるという事になりました。なんとも嬉しい限り。いろいろやっていれば、手助けしてくれる人がいることに感激です。

 ちょうどお昼時で、学食で美味しくて安い和定食をいただきました。なんと、27年ぶりの学食です。そして、回りは女子大生ばかり。でも、娘と同じ世代ですからね。もしも若い時に来たならば、キョロキョロ落ち着かない状態に陥ったことでしょう。

消えゆく同業者

 20年前、私がこの仕事に就いた時は、岩内海産商協同組合という団体には大小50を越える企業がありました。そのまた昔はもっとたくさんの企業が存在していたとのことですから、岩内の水産加工は町にとって中心となる産業であったことは確かです。

 前浜での加工原料であるマス、スケトウダラの漁をする船が漁獲減少とともに減り、それによって加工業者も仕事の原料を他地域からの買い入れ、さらに輸入といった形態に変化していきました。

 当然、輸入原料を扱うことになると、他地域との競争も必至。世の時代の流れは低価格路線となり、やむなく廃業となる会社が出てきました。

 写真は、岩内町御崎地区で大きく商売をされていた加工場です。社長が亡くなり後継ぎもないために、廃業を決意され、取り壊しています。残念ですね。一八は歴史があるから・・・と言って生きていられる時代ではありません。存続という言葉の重みは、こんな取り壊しの風景を見せられると、ずっしりと感じてしまいます。

会社の小旗

 竹の棒にエンジ色した一八の旗が休憩室の片隅にありました。何に使っていたのかおわかりになりますか?

 従業員慰安旅行のときに使っていたものだと思います。添乗員さんが団体様ご一行を連れて歩くときに、これくらいの旗を使いますよね。それと同じようなものでしょう。

 でも、なぜ端っこがほつれてしまっているのでしょう?推測するに、自動車で移動するときに、車にくくりつけていたものではないでしょうか。

 一八の屋号の周りに桜のマークがあるのも、昔のデザインなどをみると、たまに出てきます。なぜ桜か?思い当たるのは、スケトウダラのみりん干しを佐渡では、桜干しと言います。本ますの正式名称は、サクラマス。もっと違う意味があるのかなぁ?

築地市場卸会社の入社式の写真

 水産業界の業界紙「みなと新聞」4月8日付には、東京築地の卸会社の入社式の記事が掲載されています。

 そこでの入社式のいわゆる新人さんたちと、幹部の人たちが一緒に写っている写真を見ると、会社によって違いがあります。新人さんを前列に座らせている会社と幹部が前列に並んでいる会社。

 新人さんを前面に出す会社は、それだけ新人さんに期待を持って受け入れていると感じます。たったこれだけのことですが、新しい時代を作ろうという意気込みが感じられますね。弊社が古くから取引をしている会社は、残念ながら幹部が前でした。

 では弊社はどうなのか?ここ20年ほど、新卒での入社というのは皆無です。『人のふり見て我がふり直せ』人のことはよく見えるものですが、反省材料はたくさんあります。

小学生工場見学の説明アイテム

 毎年、弊社には地元の小学校の3年生が社会見学と称し、工場見学に訪れます。

 私もこの仕事について20年になりますが、当初は大人に説明するような堅苦しい説明ばかりしていたものです。すると、あくびをする子がいたり、臭いと鼻をつまんだり、明らかに工場から逃げたいという表現をされます。

 そこで、見るだけ聞くだけではなく、いろんな体験をして飽きさせないようにと考えました。深層水、水道水、地下水、飽和塩水の4種の水を用意し、それぞれどの水か、なめてみて当てるクイズ。数の子を真空パックにするなどなど。そうすると、かなり食いつきが良くなりました。

 それでも、一応「北のお魚大使」としては、何かしらお魚に興味をもってもらって、お魚を食べたいという気持ちにするにはどうするかがテーマです。何かいいアイディアがあったら教えてください。

 写真は、10数年前に子供たちに身欠にしんの説明用にと作ったものです。段ボールに説明書きをして、何枚か作りましたが、今は使っていません。私も毎年子供たちの環境に合わせて変化しています。

昔の広告です

 またまた一八の事務所2階(別名第2郷土館と私は呼んでいます)から面白いものを発見。 なんと昔の新聞折込広告です。いつのものかは正確にはわかりませんが、たぶん昭和40年代前半だと思います。と言うことは、今から40年ほど前になるでしょうか。

 シンプルなこのチラシは、いくつか面白いところがあります。まず、言葉ですが、数の子のことを「かづのこ」と書いています。今は「かずのこ」ですよね。もうひとつは化粧函入とありますが、函という字は現在「箱」ですね。年配の方は、この函を使う人が多かった記憶があります。

 電話番号の局番は、今は62の二桁ですが、昔は一桁の2だけでした。

 紅葉子とは、岩内が最初にたらこにつけた別称です。紅葉のように赤い色だったからですが、最近はあまり使わなくなりましたね。

 価格については、びっくりです。たらこの1kgが1,800円です。今は6,000円以上します。反対に数の子は1kg4,000円~5,000円とありますが、この価格は現在とほぼ同じです。当時数の子は「黄色いダイヤ」とよばれるほど高価なもので、水産ギフトの王様でした。

 最後に、「その他北海道海産物のお土産品はほとんどご用意いたします」と書かれています。これはおったまげですね。昔は今のようにいろんな商品があるわけでなく、たらこ、数の子、昆布、新巻鮭、など、代表的な商品しかなかったのだと思います。こんな時代に「にしんのおかげ」などを開発してもたぶん見向きもされなかったことでしょう。

紀という名前

 私と社長の名前は紀といいます。珍しいですね。読み方は「き」です。「きい」でもなく、「きの」でもありません。様を付けていただくと、キサマ!です。

 先代、紀伊右エ門は佐渡の出生です。幼い頃に両親に死に別れ、祖父と祖母に育てられたとのこと。今でいう中学一年生のときに、北海道に一人で渡ってきたそうです。祖父母には、「これからは、満州か北海道の時代だ。どちらかを選んで行きなさい」と言われたとのこと。

 先代の祖父母かどうかわかりませんが、祖先は寺子屋の先生をやっていたということも聞いたことがあります。なんで「紀」という名字なのかはわかりません。

 私が東京で某社営業マン時代は、電話口で「あなたの名前は?」と尋ねられ「きです」と言うと、必ず「はっ?」という反応。相手の年代によって、「一世紀、二世紀の紀です」「はんぺん作っている紀文の紀です」「皇族の紀子様の紀です」などと言い分けました。

 今にして思います。じいちゃん、満州ではなく北海道を選んでくれてありがとう。

女工さん、一年間御苦労さまてした

 29日で工場の生産部門は終了となりました。女工さんたちは最後の仕事を済ませ、掃除をしてもらって帰りました。

 毎年工場最終日、夕礼でみんなに言うことが、「休み中、怪我、病気に気を付けて過ごしてください」と。休み明けにいつもの顔がいないと、ドキッとします。とくに近年は湿り雪が多く、滑りやすいので、転んでけがをするなどの確立が多くなります。

 弊社では少ない金額ですが、女工さんたちにもお手当と燃料手当をすでに支給しました。そして、最後にお土産の箱を用意します。この中には、弊社商品の詰め合わせが入っています。別のいい方をすれば、「現物支給」というものです。このお土産箱があるせいなのか、最終日は全員出席なのです。

 いえ、一八の女工さんたちは、そんなものがあるなしにかかわらず、会社思いの人ばかりです。ほんとによく働いてくれます。一年間御苦労さまでした。お正月休み、しっかり休んで、楽しんで、また来年もよろしくお願いします。

年末年始のご案内

 本年もあと3日。仕事もあとかたずけと大掃除のみというところも多いと思います。28日、官庁さんは御用納めでしたね。さて、年末年始の一八興業水産株式会社の営業のご案内をいたします。

 年末は30日午前中まで事務所併設のお店はやっております。

 年始は1月5日からの営業となりますので、よろしくお願いいたします。

 この一年間、一八の商品を御ひいきにしていただいた皆様、ありがとうございました。一八の商品で、皆さまの食卓が明るくなりますよう、願っております。