カテゴリー別アーカイブ: 会社のこと

送迎用のバス

 女工さんの出勤は、ご近所で歩いてくる人、自転車、スクーター、自家用車、そして、会社の送迎用のバス(ワゴン車)に乗る人に分かれます。

 岩内町の朝は、写真のようなワゴン車で人を集めている車が何台もあります。この送迎は当たり前で、会社はこのようなサービスをしなければ人が集まらないというのが普通でした。

 弊社も30年ほど前は、21人乗りの中型のバスを使って女工さんを乗せていました。それから、10人乗りのワゴン車2台を使って方角の違う方にそれぞれ走っていましたが、今は1台で足りています。自家用車を使う人が増えたからです。

 以前は、人集めに大きなバスが必要だと言われていましたが、今は駐車場の土地が必要だと言われています。こんな小さな町でも、それだけ車社会になったということでしょう。

 ところで、ワゴン車横に張った一八のURL。これを見てPCで見に来た人はいるのかなぁ~?こんなことをしているのは、岩内では弊社だけです。

裏返しの封筒

 弊社の創業者紀伊右エ門は、非常に質素な人でした。商売に対することは、大胆で周りが困るほどのことをやっていたのですが、こと家庭や自社のことになると、贅沢は禁の人でした。

 物を捨てないでとっておくこともその一つで、私は子供ながらに何でそんな使えない物をとっておくのだろう?と思っておりました。すべてにおいて、「捨てる=粗末にする」という考えだったのかもしれません。それはそのような時代背景も考えられます。

 そんな教育を受けた現社長の封筒はその代表例です。写真を見てわかりますか?封筒がひっくり返っているのです。裏返し。よそから来た封筒を再利用しています。現代の感覚で言えば、のり代のほうが高くつくんじゃないの?と思ってしまいますが、これは紀伊右エ門の精神が受け継がれた証拠として、解釈いたしましょ。

 では私は?もっぱら、いらないものは捨てる派です。でも、大切なものは整理してとっておきますよ。用紙の裏面利用は当たり前です。ということで、私なりに創業者の精神をアレンジしております。生きていたら怒られるかもしれませんが・・・・

勤続表彰

 先日、商工会議所から勤続表彰の賞状と記念品が届き、朝礼で表彰をさせていただきました。商工会議所からとは言っても、記念品そのほかの経費はすべて会社もちです。

 勤続年数は5年単位での表彰となります。弊社の従業員は女工さんを含めて28人。そのうち今年は5年勤続表彰が2名と10年表彰が1名。すでに30年を超えている人も何人かいます。これって、すごいことですよね。ひとつの仕事に何年も従事し、会社のため、岩内町のためになっているのです。

 いまどき賞状よりも「お金」をくれというのが本音でしょうが、勘弁してください。ちょっといやなことがあってすぐ辞める人もいます。会社のやり方が悪くて頭に来て辞めたいと思ったこともあるでしょう。でも、我慢して乗り越えて頑張ってくれたことは、本当に感謝いたします。

 そして、毎年言わせていただくのが、健康な体があって働くことができるのです。健康管理と定期的な検診は欠かさないでください。そしてこれからも元気で一八を支えてください。勤続表彰おめでとうございます。

昭和46年岩内町戸別案内図

 一八は第二の郷土館だと言ってもいいくらい、昔のものが保存してあります。なんて、それは嘘ですが、物を捨てられない今の社長と、どんどん片づけたがる私。現社長は時代背景として、戦後の物、食べるものがない時代を生きてきた人であり、捨てることが感覚的にできないのです。

 まぁ、どこの会社でも大小あるでしょうが、肝心な書類を意味のない書類に埋没させて、物探しに時間を使うことほどもったいないと思います。大切なものは、しっかりと整理して保存をしてあげる。

 今日見つけたのは、39年前の昭和46年の岩内町の地図です。それぞれお店の名前や、世帯主の名前が書いてあります。国鉄岩内駅をはじめとして、東映劇場、甘太郎、イチヤママタ本間呉服店、柳原カバン店、音楽の店かねこ、などなど、懐かしい名前がたくさんあります。岩内ドレスメーカー女学院なんてのもありますが、私は記憶がありません。

 同じような案内図は今も販売されています。今の地図も数年後には懐かしいと言われるところが出てくることでしょう。一八なんて会社もあったよな、なんて言われないよう、努力しなければいけませんね。

年末商戦にむけて

 年末商材の生産がフルの状態で進んでいます。女工さんも毎日一生懸命に頑張ってくれています。

 休憩室に栄養ドリンクを発見。みんなこんなドリンクを飲んで仕事をしてくれているのです。だんだんと寒くなってきて、水仕事もつらくなっていることでしょう。でも、弱音は聞こえません。

 岩内の女性は、よく働きますよ。言葉はいわゆる「浜言葉」で、初めて聞くと、何でこんなに怒っているの?と思うかもしれませんが、本人は普通の言葉のつもり。慣れてくると、決して嫌味で言っていないことがわかります。

 日中は工場で仕事して、家に帰れば、炊事洗濯掃除とがんばっているのですから、私は絶対に弱音を言えません。今週も元気よく行くぞー!

数の子生産がフル操業

 年末の商材の一つに数の子があります。年々、その需要は少なくなってきてはいるものの、お正月にはなくてはならない、日本の伝統的な食べ物です。

 ニシンを扱う私たち、日本海にある水産加工業者は、ほとんどがこの数の子を商売の一つにしていると言ってもいいでしょう。明治時代より前浜にニシンが揚がり、親も子も貴重な商材としてその加工技術も現在まで受け継がれて来ています。

 ギフト商材として、昔は数の子を使っていただくことが多かったのですが、残念ながらその需要は少なくなってしまいました。また、ご家庭で、塩戻しをするのが面倒だということで、敬遠されることも数の子離れの要因かもしれません。

 とは言っても、根強い需要があるのも確かです。数の子のお話は、いくらでも出てくるので、年末まで小出しにさせていただきましょう。今日は、年末に向けて、数の子業界は、フル操業で動いていることをお知らせいたします。

 写真は、冷蔵庫に箱詰めされた数の子の段ボールです。今からお正月のお話をすると、笑われるかもしれませんが、毎日てんてこ舞いです。今日も大変、明日も大変。猫の手も借りたいのですが、素人にはこの仕事はできませぬ。

小学3年生からのお礼の手紙

 先日、工場見学した岩内東小学校3年生からお礼の手紙が届きました。毎年見学が終わった後に、見せてもらった場所の人にお礼のお手紙を教室で書くようです。社会見学は、地元の職場を見たり地元のことを学んだり、そしてお礼の手紙を書くことも勉強の一つなのですね。

 子供たちのコメントを読んでいると、選別機に数の子をのせる体験をしたのが印象に残ったようです。また、「にしん伝心」を真空パックにして、ラベルと賞味期限のシールを張って、できたものをお土産に持たせたら、家の人と一緒に食べて美味しかったとも書いてありました。皆、何度も消しゴムで消して書きなおしたあとがあり、一生懸命に書いてくれたと想像できます。

 大企業とは違い、見学コースがあるわけではなし、準備にいろいろと気を使ったり、衛生面で問題が起きないようにするなど大変です。ただ、子供にはできるだけ職場というところを見せるべきだと私は思います。

 魚の内臓を取り出すところ等は、確かに臭くて汚く見えるかもしれませんが、どんな仕事でもそのような部分はあるでしょう。ネクタイをして綺麗な格好をしても、やっている内容はいろんな意味で汚かったりもします。一番美しいのは、一生懸命に働いている姿だと思います。この子たちが大人になって、岩内の水産加工はすごいぞと胸を張って言ってもらえるよう、これからも精進しなければなりません。
 

小学3年生工場見学

 岩内東小学校の3年生21名と担任の先生、教頭先生が10日に工場見学にやってきました。毎年なのですが、3年生の社会見学で、一八の工場と、郷土館などを見て回るようです。

 私の子供3人もこの小学校にお世話になっていたこともあり、かれこれ10数年受入れをしています。最初は小学3年生にお話してもわからないような難しい話をしてしまいましたが、今は私もずいぶん慣れて、子供たちのウケを狙った体験ものを取り入れたりしています。

 

 子供ならではの質問は、毎年戸惑ったり、感心したりします。「一日に魚はどれだけ届くんですか?」「8,000尾から10,000尾です」「すっげぇ~」などなど。

 「仕事は楽しいですか?」という質問が今年一番印象に残った質問でした。「楽しいときもあるし、辛い時もあります。時には泣きたくなる時もあります。でも、この仕事に限ったことではなくて、どんな仕事でも楽しいことと、辛いことがあって、みんな頑張って仕事をしています。」と言いながら、本当かな?と自問自答。しばらくはこのことに考えさせられますね。

 元気な子供たちを見た女工さんもしばしほがらかな顔をしていました。やはり子供の存在は宝です。元気に育ってほしいですね。

 

眠っていた大鍋

 倉庫から出してきた大きな鍋。この鍋で、今度の軽トラ市で水産関係者が三平汁をつくろうということになりました。100リットルは入るのですが、70リットルから80リットル程度で使います。

 昔、スケトウダラのみりん干を作るのに、その蜜をこの釜で炊きました。火力は魚箱の壊れたものを砕いて薪代わり。鍋の底の黒い部分は、それを物語っています。現在は給食で使うような回転釜を使って炊いています。火力はガスです。

 岩内の多くの加工屋さんが、このような鍋でみりん干の蜜を炊きながら、冬場は作業をしていました。スケソの夜業の時などは、この釜で夜食を作って振舞ったこともあるという歴史のある鍋です。

 さて、9月の軽トラ市。どんな鍋が出来るか楽しみですね。皆さんもいろんなイベントで使ってみたいとお考えでしたら、お貸しいたします。取りに来ていただくことと、洗って返していただくことが条件で、お金は頂きません。

暑さでトラブル続出

 水産加工の温度管理は今の時代はなくてはならないものになってしまいました。

 これだけ暑い日が続くと、機械類もいろんなところに負荷がかかり、故障が出てきます。特に、私どものような古い機械を工夫しながら使っていると、夏場はいろいろとあります。

 夏休みに入ったその日に、事務所の店舗にある冷凍庫の冷凍機が故障。急きょ温度が上昇する前に、プレハブの冷凍庫に商品を移し、難を逃れました。今日は乾燥機の異常発生。通常は19℃前後で使用しているのですが、その温度帯を越えると、私の携帯に異常発生の電話が自動的に鳴ります。お葬式のお手伝いをしている時に、その電話が鳴ったので、あわてて工場に。

 いつぞやは、その警報が鳴らなくなっていて、乾燥機に入っていた身欠にしんを500kほどをすべて廃棄したことがありました。泣くに泣けない思いをしました。北海道の自動車は、寒冷地仕様というのが当たり前になっていますが、毎年暑さの記録更新になってしまえば、私たちが使う機械類も、「北海道酷暑対応仕様」などと考えていかねば。考えれば考えるほど、金が飛んでいく~。

乾燥中の身欠にしん。