カテゴリー別アーカイブ: 商品のこと

海洋深層水は低水温

 岩内地場産業サポートセンターでは、岩内沖の海底からくみ上げる海洋深層水というものを販売しています。海水を販売しているのですよ。誰が何に使うんだ?と思いますね。深層水の詳しいことは一八のホームページにも掲載していますし、岩内町のホームページにも掲載してあります。要するに、太陽光が届かない深い海の水だから、①きれい②冷たい③ミネラルたくさん。というのが三大メリットとなります。

 一八ではこの深層水を使って、いろいろな商品を作っています。一番使用頻度の高いのは、数の子の血抜き作業に使っています。ニシンのお腹から出たばかりの数の子は、血が回っていて、みなさんがお正月に見る数の子とは明らかに違います。深層水を使う利点として、血が抜けやすい。詳しいことは専門的になるので書きませんが、他に明快な利点としては、水温が低い。低水温で数の子を処理できるのですから、鮮度保持がうまくいく。

 夏場の水道水は19℃くらいに上がりますが、どんなに暑い日に工場に運んでも深層水は10℃以下なので、商品にとってはいいですね。ただ、汲みに行くのがちょっと大変。トラックのタイヤの減りも早いです。水道水のように蛇口をひねれば使えるのは理想ですが、手間がかかってもいい商品を作ろうとする努力は必要だと思います。

 先日のブログでもご案内しましたが、今度の日曜日は、深層水まつりがあるので、無料で深層水がもらえます。容器を用意して来てください。海水と同じ原水だけでなく、脱塩水などもあります。使い方もいろいろとあって、パンフレットなどもありますので、ご活用ください。

 

ハグマート

 札幌市の狸小路5丁目に道産食彩HUGマートというお店があります。道産食材の直売店です。ここに、一八の「にしんのおかげ」と「めんこちゃん」が売られています。

 生鮮食品もあるし、加工食品もあります。またHUGイートでは、屋台風に11店が営業していて、道産の美味しいものがたべることができます。ちょっとのぞいてみると楽しいですよ。スタッフの方たちは、商品陳列に朝から大忙し。元気な声で「いらっしゃいませ~」と活気があります。

 狸小路といえば、札幌の大通とすすきのの中間に位置して、1丁目から7丁目までアーケードになった商店街です。歴史もありますね。私たちの年代では、TVCMの「ぽんぽこ~、さっぽろ~、ぽんぽこ~~、た~ぬ~き~こ~~じは・・・・・・・」というテーマソングを思い出します。一時は客足が遠のいて大変だというお話もありましたが、今は国際色豊かな客層と、ホテルなどの昔の商店街では考えられない建物まであります。お近くに行きましたら、狸小路に足を運ばれ、5丁目HUGマートを覗いてみてはいかがでしょう。 

めんこちゃん

 一八の商品に「めんこちゃん」というものがあります。発売して岩内町だけでそれなりの知名度にはなったと思いますが、札幌進出は遅かれながら、今年の5月からになりました。

 発売してからはもう10年を越えますが、発売するまでは2年ほど試行錯誤し、ようやくこの味にたどり着きました。原料は釣たらこ。一腹ずつ丁寧にほぐして、明太子味の調味に漬け込みます。この調味の味を決めるのに、かなりの実験を繰り返しました。北海道には似たような商品がありますが、どこにも負けない自信はあります。

 使い方はスプーンですくって、あつあつご飯の上に乗せて食べるのが王道。スパゲッティに合える。トーストにぬって焼く。おにぎりの具。イカ刺と合える。などなど。お料理好きの方なら、いろんなお料理に応用が出来ると思います。

 ネーミングはいいでしょ。地元の資材を扱う「マルヤパック」のK営業マンが、苦心して考えた名前です。北海道弁の「めんこい」と明太子の「めんたいこ」の言葉を掛け合わせました。道外の皆さんは「めんこい」という言葉、わかりますか?「かわいい」を意味します。

 岩内のある居酒屋での一風景。男女のグループが一人の女性のお誕生日をお祝いしていました。皆、誕生プレゼントを一人一人渡していました。ある男の子が『めんこちゃん』を渡して「これうめえんだぜ(おいしいんだよ)」。その後どうなったかわかりませんが、私はこの2人の幸せを本気で応援するぞっ!

技術相談

地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 食品加工研究センター 

 うわぁ~~、と思わず言ってしまう、長ったらしい名前。この4月からついた道の研究機関の名前です。今までお世話になったことがある人は、「食加研」と言えばお分かりでしょう。私の「にしんのおかげ」は、ここの研究から生まれた基礎技術を応用したものです。ここの研究員の方々、いうなれば生みの親でしょうか、濱岡さんと山田さんが現場に来て、私の問題点を探って相談に乗ってくれました。

 この技術は「北海道さかな味噌」という言葉でおおきなひとくくり。北海道内ではこの技術を利用して商品化に取り組んでいる企業が数社あるようです。どの魚を利用するかは、その企業の地域性や、扱う原料によって違いがあります。一八は、毎日ニシンを加工しているので、ニシンを使って挑戦したのが2年前の1月。お二人に言わせると、一番難しい魚を私は最初に手を付けてしまったようです。

 しかし、難しいからと言って逃げ出すのはイヤ。試行錯誤の連続。ニシンは脂分が多く、発酵を邪魔してしまう云々。最初に教えてもらった魚肉、米麹、食塩の配合比率ではどうもうまくいかず、何パターンもの配合を繰り返し、ようやく商品化されたのが昨年7月でした。

 その後もいろいろな問題点などが浮上し、そのたびに岩内町地場産業サポートセンターの釜谷さんや、食加研のこのお二人にいろいろと相談に乗ってもらったりしました。こんなちっぽけな会社が新しいことを作りだすというのは、そう簡単にできるものではありません。公的な研究機関に技術的な協力をしてもらうことは有り難く、心強く感じます。 研究員の方々の知識は確かにすごいですよ。その知識を上手に生かして商品づくりに結び付けるのが、私たちの仕事です。

 食加研のみなさん、岩内町地場産業サポートセンターのみなさん、これからも私たちの下支えをよろしくお願いします。

「にしんのおかげ」のスパゲッティー

大豆を使わず、ニシンを発酵させて作った、味噌状の調味料「にしんのおかげ」。

 うちの奥様は昼食にスパゲッティーを作ってくれました。味付けは塩とトマト。最後に「にしんのおかげ」を入れたらしいです。今回は何も言われないで、食べているといつもと違うなぁ、ちょっとコクがあるなと思っていたら、「入れたよ」と。でもって、どれだけ入れたの?の問いには、例のごとく「ちょっと」でした。だから、そのちょっとがどれくらいなのよと私の質問にも毎度のことながら、奥様はビンに残っていたちょっとという返答。

 みなさんがお試しの時は、入れすぎず、ちょっとずつお試しください。具に入っているのは、ご近所さんからいただいたアスパラです。今年はちょっと細いですねと。5月に低温が続いたせいでしょうかね。

 レシピになっていなくてごめんなさい。でも、美味しかったのです。これは奥様の腕でしょうか。にしんのおかげのおかげでしょうか。

マスのトバ

お待たせしました。ますのトバが出来上がりました。

 5月24日付のブログでも書きましたが、今ではこの日本海で獲れる青ますは希少価値です。しつこいようですが、正式和名は「カラフトマス」。ですが、一般的に有名なオホーツクで獲れるマスと違うのは、索餌(さくじ)の状態にあります。餌を探して一生懸命卵に行く栄養を蓄えているのです。お腹に卵をもつと栄養が卵にいくために親は脂が少なくなります。サケはメスよりオスが美味しいと言われるのはこのためです。

 このトバの原料は脂があり、干しているとべとべとになるほどです。作り方は詳しくは書けません。企業秘密です。でも、手間はかかっています。とにかく地元では圧倒的人気商品でして、昨年は原料がなく、たくさんのお問い合わせにお断りするしかありませんでした。

 売価は一八の店頭で、一尾400円~500円が中心。サイズによって価格が違います。注意点は、保存料を使用していませんので、必ず冷蔵、もしくは冷凍で保管してください。賞味期限が短いので、ご注意ください。

にしん伝心 新発売

北海道産ニシンを使った珍味、「にしん伝心」が新発売です。

岩内の道の駅で販売を始めました。価格は300円。

味は岩内海洋深層水で下味を調えて、燻製風味仕立てにました。皮もむいてあり、2~3㎝ほどで切ってあるので、ちょっとつまんでそのまま食べられる。ビールのおつまみにも最高。お子様のおやつにもニシンの栄養をそのままとることができて、体にもいいのです。

試験製造している時は、お客様に出すと、決まって何度も何度も口に運び、結局は全部なくなってしまうほどの人気でした。役場の方たちも試作を持って帰っては、取り合いをして食べていたような。

面白いネーミングですね。資材屋さんの○○パックの○田さんの考案です。最初は??と思ったのですが、私がいつも岩内でこうしてニシンで商売ができるのは、先代たちのおかげだという言葉を聞いて、この「以心伝心」「にしんでんしん」と思いついたようです。これを見たうちの奥様、「人を付けると似心伝心(にしんでんしん)だね」と。なかなかいいこと言うじゃない。

しばらくは岩内限定での販売となります。岩内の道の駅にこられたら、ぜひお買い求めください。「にしん伝心」がほしいという顔をして道の駅のカウンターに行きましたら、愛想のよいスタッフが以心伝心のごとく、「1個300円です」と言うかもね。

まだまだ寒い

6月だというのに、事務所のストーブは朝、火が着きます。社長は寒がりなので、これくらいは何とか我慢してと思うのですが、逆らえません。工場の休憩室のストーブは先日分解掃除に出してしまいました。20℃を越えないので、たぶん寒いと感じるのでしょうが、なければないで、皆さんそれなりにやっていけるようです。

たんぽぽはつい先日まで黄色にあちらこちらで咲いていましたが、今日路肩を見ると、白い綿帽子の状態になっていました。

事務所に来るお客様の話題は、寒い話、農家が大変だという話。農家がよくないと、私達の商売にも影響があります。身欠にしんの販売先は、東北、北陸が中心です。農作物に影響があると、ご飯の消費が少なくなって、身欠が売れなくなります。

「風が吹くと桶屋がもうかる」の反対のような話ですが、四季折々の本来の季節感がないと、品物は動きが悪くなってしまいますね。

話は飛びますが、白いあつあつご飯には、「にしんのおかげ」「めんこちゃん」がお勧めです。

釣たらこ

一八の商品に「釣たらこ」という看板商品があります。たらこの状態で海出泳いでいるのを釣るのか?なんて質問は冗談ですよね。あの赤い唇状態が、海の中で泳いでいるなんて飲んだときの魚(肴)にしてください。

たらこはどなんな魚から作られるの? 標準和名はスケトウダラです。 岩内では、「スケソ」と読んでいます。ちなみに、ロシアでは、「メンタイ」韓国では、「ミンタイ」と呼ばれています。

一八のホームページ上にも書いていますが、岩内では昔は100を越える釣り船がありましたが、今はたったの5隻しかいません。岩内のスケソだけでは量が足りず、桧山地方から生の卵だけを買って、それを漬け込んでいるのが現状です。もちろん、はえ縄漁で漁獲したもの限定です。

漬け込んだ後、個質をすばやく判断し、1等子、2等子などに選別されます。この選別が熟練を必要とします。

一八では、着色料を使用しない無着色たらこの製造も行っています。無着色のほうが値段が高いのはなぜ?と思いますね。着色するのは理由があります。、原卵の状態では、それぞれ違った色をしているのですが、赤く染めることによって、均一に見えます。人間でも同じですよね。モデルのような白い肌の人もいれば、真っ黒い肌の人もいます。それらをランダムに並べるよりは、同じ色の人を並べるほうがきれいに見えますね。

ですから、原卵の時点で、選別をする手間がかかります。その上、無着色にしても大丈夫な原卵の色だけを選ぶので、コストがかかるというわけです。

ということで、今年のお中元は、一八の無着色「釣たらこ」を使っていただけませんか?数年後にはなくなってしまうかも知れない商品です。

マスのトバ

弊社の季節限定商品に『マスのトバ』というものがあります。

青ますを尾の部分でつなぎ合わせ3枚卸にしたものを、調味に漬込み、干した乾製品です。前回もお伝えしたように、青ますの漁獲そのものが少ないために、加工原料にはほとんどなりません。でも、ほんの少しだけ、熱烈なユーザーのために作ります。

写真は、5月18日に載せた写真の青ますで作った「マスのトバ」です。たった38袋しかできなかったのですが、店頭に出す前に女工さんに販売したら、その場ですべて完売。ありがとうございました。次は?まだあるんでしょ?との問いに、海に聞いてくれぇ~としか言えません。でも、やっぱりこんなに人気があるのなら、原料確保は何とかしようと思ってしまいます。

さて、このマスのトバは別名「アダッチ」または「アダチ」という呼び名をする人がいます。言っている人に、「どんな字?」と聞いてもわからないそうです。アイヌ語かな~? どなたかわかる人がいらしたらこの北のお魚大使に教えてください。

ところで、サケ、マスは赤身魚ではなく、白身魚だと言うことは、魚好きのみなさんなら知っていますよね。アスタキサンチンというカロチノイド色素で赤色に見えるのです。ではなんでその色素を持つのか?餌となるエビのちっちゃくしたような、オキアミを食べるから。じゃなんでオキアミはその色素をもっているのか?・・・勘弁してください。 小学生にわかるように説明できる方、教えてください。