月別アーカイブ: 2010年6月

濃霧

 写真のように、12日は朝から濃霧の状態で、港もほんの少し先しか見えませんでした。街中も霧に包まれていました。

 道東の釧路や厚岸方面では、夏場ではめずらしくない情景でしょうが、岩内でこのような濃霧になるのは珍しいことです。きっと、前回の話題にも出したように、海水温が影響しているのでしょうか。

 気象の異常現象に、強風があります。昔から岩内は風が強い場所ではありますが、近年は突風のような風が多くなりましたね。その突風により屋根が飛んでしまったり。先月の工場のドアが倒れたりと。

 空き地が目立ってきたせいもあるのでしょうか。今まで建物にさえぎられて風がこなかったのに、解体して風が急にあたるようになって、屋根がはがれたりと。

 一八の倉庫も例外ではなく、先日の雨で雨漏りが。しかし、これは冷静に考えると、風の影響というよりは、老朽化が原因と言った方が正確かも。一八はそんな建物があちこちに。老舗ほど、そんなことをいっぱい抱えていると思います。

めんこちゃん

 一八の商品に「めんこちゃん」というものがあります。発売して岩内町だけでそれなりの知名度にはなったと思いますが、札幌進出は遅かれながら、今年の5月からになりました。

 発売してからはもう10年を越えますが、発売するまでは2年ほど試行錯誤し、ようやくこの味にたどり着きました。原料は釣たらこ。一腹ずつ丁寧にほぐして、明太子味の調味に漬け込みます。この調味の味を決めるのに、かなりの実験を繰り返しました。北海道には似たような商品がありますが、どこにも負けない自信はあります。

 使い方はスプーンですくって、あつあつご飯の上に乗せて食べるのが王道。スパゲッティに合える。トーストにぬって焼く。おにぎりの具。イカ刺と合える。などなど。お料理好きの方なら、いろんなお料理に応用が出来ると思います。

 ネーミングはいいでしょ。地元の資材を扱う「マルヤパック」のK営業マンが、苦心して考えた名前です。北海道弁の「めんこい」と明太子の「めんたいこ」の言葉を掛け合わせました。道外の皆さんは「めんこい」という言葉、わかりますか?「かわいい」を意味します。

 岩内のある居酒屋での一風景。男女のグループが一人の女性のお誕生日をお祝いしていました。皆、誕生プレゼントを一人一人渡していました。ある男の子が『めんこちゃん』を渡して「これうめえんだぜ(おいしいんだよ)」。その後どうなったかわかりませんが、私はこの2人の幸せを本気で応援するぞっ!

海水温が低い

 ここのところの低温のせいなのか、エルニーニョが影響しているのかわかりませんが、新聞に出るように海水温が低いようです。俗に言う「温暖化」の影響ならば海水温は上昇するだろうと思うでしょうが、いろいろな要因が絡んで低温になっているようです。

 そのせいか、岩内町は今年はすっきりしない霧のような天気が多いです。今朝のテレビでもやっていましたが、北海道の太平洋側の地域では、霧の日が6月に入ってからほとんどのようです。これでは観光にも影響が出るし、農作物にも影響が出ますね。

 魚の世界で見ると、日本海を北上したり南下したりする魚で代表的なのが、イカです。冬の漁場は九州まで南下。夏になると北海道まで北上。6月に入ると函館から始まって、岩内にも例年ですと結構なイカ釣り舟が集まってくるのに、今年はまだまだですね。

 どうしたのかな?海もちょっと人間のわがままに怒っているのかもね。

 さて、この新聞は「日刊みなと新聞」6月16日付の一面です。新聞業界も大変なようですね。新聞記者のみなさん、大変なのはわかりますが、自身の足でしっかり取材してくださいね。

社員旅行

 身欠にしんの春の繁忙期も一段落。今日は社員旅行に出かけています。私は留守番。 旅行に行く女工さんたちは、いつもと違って化粧ばっちり、おめかしスタイルです。今回は道南方面グルメの旅。せっかくの旅行ですが、16日の岩内は雨。現地はだいじょうぶかなぁ~?

 いつも一生懸命に働いてくれる女工さんたち。彼女たちにとって、上げ膳据え膳が何よりの楽しみということです。そりゃそうだよね、日中は工場で働いて、家に帰ったら、掃除洗濯炊事、後片付け。つくづく良く働いてくれると思います。岩内の女性はすごいよ。

 工場が止まっているときに、毎年工場内の修繕や改造をします。本当は新しい工場をドン!と建てたいけどね。それができないから、ちょっとずつ。今年は乾燥機を少し手を加えました。乾燥機は365日ほぼ休みなしで動いています。夏場に故障しやすくなってきたので、暑くなる前に対策を。

技術相談

地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 食品加工研究センター 

 うわぁ~~、と思わず言ってしまう、長ったらしい名前。この4月からついた道の研究機関の名前です。今までお世話になったことがある人は、「食加研」と言えばお分かりでしょう。私の「にしんのおかげ」は、ここの研究から生まれた基礎技術を応用したものです。ここの研究員の方々、いうなれば生みの親でしょうか、濱岡さんと山田さんが現場に来て、私の問題点を探って相談に乗ってくれました。

 この技術は「北海道さかな味噌」という言葉でおおきなひとくくり。北海道内ではこの技術を利用して商品化に取り組んでいる企業が数社あるようです。どの魚を利用するかは、その企業の地域性や、扱う原料によって違いがあります。一八は、毎日ニシンを加工しているので、ニシンを使って挑戦したのが2年前の1月。お二人に言わせると、一番難しい魚を私は最初に手を付けてしまったようです。

 しかし、難しいからと言って逃げ出すのはイヤ。試行錯誤の連続。ニシンは脂分が多く、発酵を邪魔してしまう云々。最初に教えてもらった魚肉、米麹、食塩の配合比率ではどうもうまくいかず、何パターンもの配合を繰り返し、ようやく商品化されたのが昨年7月でした。

 その後もいろいろな問題点などが浮上し、そのたびに岩内町地場産業サポートセンターの釜谷さんや、食加研のこのお二人にいろいろと相談に乗ってもらったりしました。こんなちっぽけな会社が新しいことを作りだすというのは、そう簡単にできるものではありません。公的な研究機関に技術的な協力をしてもらうことは有り難く、心強く感じます。 研究員の方々の知識は確かにすごいですよ。その知識を上手に生かして商品づくりに結び付けるのが、私たちの仕事です。

 食加研のみなさん、岩内町地場産業サポートセンターのみなさん、これからも私たちの下支えをよろしくお願いします。

暖簾(のれん)

会社のお店の前にある「のれん」を新調しました。

 前の暖簾は布製の染め上げたもの。雪、雨、風によって数年持たずして、ぼろぼろに。岩内の自然をご存じの方なら、このぼろぼろになる状態は想像つくと思います。

 今回は岩内の老舗「村本商店」で作ってもらいました。生地は風雪に耐えることができるように、頑丈なテント生地です。このお店、岩内では有名なのですが、お店は一八同様非常にシックな作りです。お愛想のよいご夫婦でお仕事されて、仕事内容もしっかりして早いです。

 最近では、山菜取り用のリュックサックなどの商品は、丈夫でしっかりした作りだと静かなブームになっていると聞きました。ホームページをのぞいてみてください。お勧めです。

 大きな暖簾。これで、千客万来!となりますように。甘い甘いとおっしゃる皆様方、わかっております。暖簾を変えただけでうまくいくなんて、そんな商売は甘くはない。でも、がんばらなくっちゃという気持ちの変化は出ましたよ。これをご覧になった皆さま、実物の一八の暖簾を見て、お買いものに来ていただけるのをお待ち申し上げております。

大運動会

 小学校の運動会がありました。北海道は10月ではなく、6月に運動会をやる地域の方がほとんどですね。10月だとちょっと寒いし、それに10月は学芸会があります。

 我が家は3人11年間お世話になった岩内東小学校の運動会を、昨年終了しました。写真で見る限り、大きなグランドに子供たちが少ないですね。全学年1クラスで、岩内町には、東小学校の他、中央小、西小と3つあります。いずれも子供の減少で、統合問題が出ていますが、それはいつになることやら。

 岩内の漁師さんたちは、昔、11月から3月までスケトウダラ漁、5月6月はマス漁、そのほかイカ漁は6月から10月頃。ただ、漁具合によっては岩内から離れた場所で操業する形態のようでした。6月はマス、イカの漁があるので、岩内にいることができたようで、家族と一緒に運動会に参加できました。ただ、マス漁は日曜日も関係なかったので、漁があったら工場は運動会関係なしで仕事をしていましたね。

 私が小学校のとき、大人はなぜか酔っ払いが多く、午後には日焼けか酔った赤さなのかわからないおじさんさちがいっぱい。そのぶん、運動会は盛り上がっていました。お弁当には、お母さんたちの手作りの豪華なご馳走。その中には、当然のごとく、岩内産のマスの切り身が入っておりました。

 時代とともに運動会の形態も変わっていくことでしょう。でも、子供たちの運動会の記憶は「楽しかった」という気持ちをいつまでも持っていて欲しいですね。その中にお昼のお弁当に岩内らしいおかずが記憶に残っていて欲しい。この岩内岳の景色とともに。

マラソンのきっかけ

 私のランニングは北海道マラソンで走りたいとの思いから始まりました。

 たまたま札幌に用事があって車で出かけたものの、その日が北海道マラソンの日だとは知らず、いえ、北海道マラソンというものがどのようなものかも知りませんでした。新川のところで通行止め。前方を見ると、よたよたとおじさんたちが走っています。すぐに通行止めは解除になるものと高を括っていましたが、30分待てどもダメ。イライラは最高潮に。ところが、そのおじさんたちの走る姿を見て、「これなら俺でもできるかな」と安易な考えが。通行止めで待たされるよりは、待ってもらう立場のほうがいいやと。

 それまでは、隣町のとまりマラソンという10Kの大会に地元のよしみで出ていた程度です。もちろん、練習なんてその1ヶ月前くらいに、ちょっと走っておく程度。今からして思うと、なんと甘い考えで始めたことか。

 当時、北海道マラソンにエントリーするためには、フルで4時間。ハーフで1時間40分以内で走った記録が必要でした。そこで、10月にある北海道ロードレースというハーフの大会に申し込み、無事にそのタイムはクリアー。翌年の北海道マラソンに向けて、順調なスタートを切ったはずでした。

 ところが、年が明けて雪が融け、練習を始めたら、すぐにひざ痛。だましだましで5月の洞爺湖マラソンに出たら、25Kで失速。歩いてしまいました。最後はふらふらになりながら。

 よくランニングを始めようとしている人に助言させてもらいますが、ハーフまでは昔スポーツをやった人ならある程度の練習で走れます。でも、フルはそれなりの練習を積まなければ、走りきれません。

 その後は、速く走ることよりも、走りきるための練習。故障をしないためには何が必要かといろいろと調べながら、自身で試しながらの練習となりました。もちろん、今でも試行錯誤の連続です。それがマラソンのおもしろさかもしれませんね。

 子供の頃からスキーが好きで今でもやっています。でも、昔出来たモーグルのコースをノンストップで滑ることが出来なくなったり、と明らかに下手になっているのを感じます。一方、ランニングは、それなりの練習をすると、この年になってもまだ速く走ることが出来ます。

 そして、北海道マラソンの魅力は、途切れることのない沿道の応援と広い道路をマラソンのために走らせてくれる。今年の8月で北海道マラソンは7回目のチャレンジとなります。この北海道マラソンでいかにベストパフォーマンスで走ることが出来るかが一番の目標です。

 通行止めで足止めをくらっている車を横目に、ごめんねとつぶやき、このきっかけとなった日を思い出します。

「にしんのおかげ」のスパゲッティー

大豆を使わず、ニシンを発酵させて作った、味噌状の調味料「にしんのおかげ」。

 うちの奥様は昼食にスパゲッティーを作ってくれました。味付けは塩とトマト。最後に「にしんのおかげ」を入れたらしいです。今回は何も言われないで、食べているといつもと違うなぁ、ちょっとコクがあるなと思っていたら、「入れたよ」と。でもって、どれだけ入れたの?の問いには、例のごとく「ちょっと」でした。だから、そのちょっとがどれくらいなのよと私の質問にも毎度のことながら、奥様はビンに残っていたちょっとという返答。

 みなさんがお試しの時は、入れすぎず、ちょっとずつお試しください。具に入っているのは、ご近所さんからいただいたアスパラです。今年はちょっと細いですねと。5月に低温が続いたせいでしょうかね。

 レシピになっていなくてごめんなさい。でも、美味しかったのです。これは奥様の腕でしょうか。にしんのおかげのおかげでしょうか。

マスのトバ

お待たせしました。ますのトバが出来上がりました。

 5月24日付のブログでも書きましたが、今ではこの日本海で獲れる青ますは希少価値です。しつこいようですが、正式和名は「カラフトマス」。ですが、一般的に有名なオホーツクで獲れるマスと違うのは、索餌(さくじ)の状態にあります。餌を探して一生懸命卵に行く栄養を蓄えているのです。お腹に卵をもつと栄養が卵にいくために親は脂が少なくなります。サケはメスよりオスが美味しいと言われるのはこのためです。

 このトバの原料は脂があり、干しているとべとべとになるほどです。作り方は詳しくは書けません。企業秘密です。でも、手間はかかっています。とにかく地元では圧倒的人気商品でして、昨年は原料がなく、たくさんのお問い合わせにお断りするしかありませんでした。

 売価は一八の店頭で、一尾400円~500円が中心。サイズによって価格が違います。注意点は、保存料を使用していませんので、必ず冷蔵、もしくは冷凍で保管してください。賞味期限が短いので、ご注意ください。