港のある場所で、一匹の魚を前に鳥たちのバトルがありました。
岩内地方では、ウミネコのことを「ゴメ」と呼んでいます。推測ですが、カモメが、ガモメ・・ガゴメ・・ゴメ となったのではと勝手に思っています。
このウミネコは港に居座り、漁を終えて水揚げしている船からのおこぼれを狙っています。しかし、漁が無い時はあちこちに出張し、カラスのテリトリーに入って行きます。一匹の魚を二羽のゴメが獲り合い、他のゴメは力関係から、見て見ぬふり。カラスはおれたちの場所なんだから、来るなよという顔をしていますが、ゴメに美味しいところを取られしまう。
スキを見てはカラスが獲物を取りに行こうとするが、ゴメの大きな体とくちばしにはかなわず、威嚇される。でもあきらめきれない。いつもは憎らしく見えるカラスも、その勇気に今回は「ちよっと頑張れよ、カラスくん」と言ってしまった。
人間でもこんな風景はたまにありますよ。もしも、私がこのカラスや餌にありつけないゴメだったら、この場はさっさとあきらめて、一人で違う餌を捜しまわることでしょう。