日別アーカイブ: 2010年10月20日

数の子の規格(個質編)

 先週の数の子の規格(大きさ編)に続きまして、今週は個質編をお話させていただきます。

 一口に数の子と言っても、大きさがいろいろあることはわかっていただいたと思います。では、卵の状態によっていろんな呼び名があるのをご存じでしょうか。

 写真の一番上から、変形卵、マガイ、ダルマ、フリコ、というものがあり、それぞれ固さなどの違いから食感が違うので、いろいろな用途に使い分けされます。それぞれの価格も違ってくるのです。この写真は、個質の違いのわかりやすいものですが、このほかにも若子、モロ子など細分化すると、さらにあります。

 簡単に言えば、卵の成熟度の違いです。最初は未熟卵で、若子に相当します。それから成熟卵になるにつれ、マガイ、モロコと変化し、排卵の段階になると、ダルマ、フリコと変化していきます。

 大きさは機械による選別が可能ですが、この個質に関しては、女工さんの目と手にかかっています。マガイと成子の違いを迷わず一瞬で見極めることができたら一人前です。

 一言でいえば、「ニシンの卵」なのですが、こんなに種類があって、それぞれの呼び名があるというのは、数の子くらいではないでしょうか?それだけ日本の食文化に大きな影響のある食材だと思います。