ニシンの子は数の子。ニシンを「カド」とも呼ぶことからカドの子が変化し、「カズノコ」となったとされています。
普通、ニシン1尾の産卵個数は年齢に万をかけた数と考えられています。アラスカで獲れるニシンは4歳から10歳魚が中心で、仮に6歳魚だとすると、6×10,000=6万個の卵をたった1尾が産卵することになります。その多くは成魚にならず、他の魚やクジラのエサになってしまうわけですが、すごい数ですよね。お正月の縁起物、子孫繁栄を象徴する食べ物として数の子があるのは、そんなことからだと思います。
写真にもあるように、数の子は右向き、左向きがあります。普通、魚卵はひと腹、ふた腹という数え方をするのが一般的です。たらこをイメージしてもらうとわかるのですが、ひとはらというのは、2本が一対になっていますよね。1尾の中には2本入っていて、一部で結合しています。数の子も右と左一対で1尾のお腹の中に入っています。
しかし、数の子はひと腹という呼び方はせず、一本という呼び方が主流です。1羽(ひとはね)という呼び方もあるようですが、私は現実には聞いたことはありません。
さて、みなさんが購入された数の子は何歳魚か?1本の数の子の粒子をひとつずつ数えて2万個だったら、その倍の数で4万と予測し、親のニシンは4歳魚だとわかります。そんな事をする奴はいない? そりゃそうですよね。でも、食卓の話題になるでしょ。クジラに食べられずに生き抜いた数の子を召し上がっているのです。数の子を食べる人は生命力が強いのです。