山菜が出てくる季節になると、身欠にしんの季節でもありますね。ちょっと身欠にしんのおさらいをしましょう。
カラカラに干してある身欠にしんが本乾(ほんかん)【写真下2本】。一週間ほど干して少し柔らかい部分が残っているのが、八分乾(はちぶかん)【写真中2本】。一夜干しにしたのが、ソフト身欠または半乾(はんかん)【写真上2枚】と呼ばれています。
本乾は米のとぎ汁で戻して使うことから、近年はソフトタイプへの移行が進んでいます。しかし、本来の美味しさは本乾身欠にはかないません。水分を飛ばし、旨みを凝縮しているためです。
昔の人は冷蔵庫のない時代に、保存食としてこの本乾身欠にしんを上手に利用し、本州各地の食文化に寄与しました。たとえば、会津地方の山椒漬、京都のニシンそばなどはその文化の名残でしょう。身欠にしんの消費量も北海道よりも本州の方が圧倒的に多いことも、そんな昔からの伝統食文化があるおかげだと思います。
現在は、会津では本乾よりも八分乾を使う方が多いと思います。ニシンそばにおいても、本乾からわざわざ作らず、ソフト身欠を利用される方が多いと思います。いずれにせよ、価格も安値で安定し、体にもよい食材ですから、ぜひお料理にお使いください。
原料の産地などによっては、脂の保有率にかなりの違いがありますので、ご購入されるときは、お店の人に相談されることをお勧めいたします。また、一八にお電話いただければ、お料理に適した身欠にしんの御紹介をさせていただきます。