月別アーカイブ: 2011年11月

さっぽろさよならマラソン2011

 北海道の11月と言えば、もう雪が降るのに、なんでマラソン大会があるの?なんて思ってしまう、「さっぽろさよならマラソン」。大会の存在は知っていましたが、11月は仕事もハードな状態だし、練習なんてやっていないに等しいから、「出ない」と決めていた昨年まで。

 ところが今年はエントリーしてしまいました。理由は二つ。毎年最後のレースとしている北海道ロードレースは仕事で出る事が出来なかった事。もう一つは、このブログでも何度か登場している小樽のS氏が釧路に転勤になるとの事。でもって、単なる送別会よりも、走った後に送別会をしましょうということに。文字通りの「さよならマラソン」だね。

 11月13日。今まではずっと自分のために走ってきたけれど、たまには、人の役に立つ走りもいいかなと思い、S氏のペースメーカーを買って出ました。コースは真駒内スタジアムの外周からスタート及びゴール。ハーフは豊平川河川敷の同じコースを2周。

 S氏は2周目にかかると、極端にペースダウンしてしまい、1時間40分を切る事ができませんでした。彼のベストは34分なので、その記録と同じ4分30秒/キロで引っ張って行きましたが、持ちこたえられなかったようです。一度ダメだと思ったら、猫背になって下を向き肺を縮めてしまう癖があるようです。給水もかなりのロスを生じています。

 ちょっと生意気な事を言ってしまいました。私もコーチ気どりで勘違いもはなはだしい。走り始めてまだ2年目のS氏。いろんな経験を積んで、強くなって帰ってくることでしょう。楽しみにしています。

 さて、ちょっと怒られるかもしれませんが、ゴールラスト1km付近で、S氏のペースメーカーをやめ、1kmほど逆走しました。もちろん、他のランナーに迷惑をかけない走りでです。後から来た仲間のMさんの100m後にS女史がいるので、S女史をひっぱり、Mさんを追い抜こうと仕掛けましたが、最後のところで気付かれて、逃げられました。でも、なかなか楽しかったです。

 この後は、お風呂に入って、美味しいビール。今日のレースを肴に飲ませていただきました。これにて、今シーズンのマラソンはおしまいです。写真は、ゴール付近です。右側は2周目にかかるときに走るコース。ゴールは左側。チップでの計測はしていませんでした。まるで10月初旬のような穏やかな天気と気温でした。

食料新聞一面に、調味料選手権2011の記事

 日本には、さまざまな業界新聞というのがありますが、食料新聞という新聞が東京の日本野菜ソムリエ協会から届きました。11月3日調味の日に行われた、調味料選手権2011の事が書かれています。

 最優秀賞になった秋田県の株式会社諸井醸造の「しょっつる十年熟仙」という商品にスポットが当たっています。とはいえ、入賞の欄に「にしんのおかげ」一八興業水産株式会社と出ていますので、ちょっとほっとしています。

 この最優秀賞になった商品は、ハタハタを原料にした魚醤油のしょっつるをさらに10年熟成させて作ったビンテージものです。年間500本しか作れないとのこと。ですから、ボトルの首に巻かれた紙には一本一本に手書きで215/500とか書かれた数字が記載されています。

 負け惜しみになってしまいますが、これも調味料?という商品もエントリーされていたので、伝統的な王道の商品が最優秀に選ばれたのは、良かったと思います。

 食という商売をしていると、その土地の文化、生活習慣とのかかわりがいかに大切かと感じる事があります。伝統を残しつつ、新しい事にも挑戦する。そして食文化を継承していく。私は最近、こんな事を意識しています。ようやくか?とヤジが飛んできそうですが・・・・

いか船が集まっています

  外来船という言葉が港には存在します。黒船のような海外からやって来た船ではありません。その港に属する船ではない、他所から来た船の事を言います。

 岩内港では、いまスルメイカ漁が豊漁になっています。みなさんが普通イメージするのは、夏の風物詩の漁火でしょう。ですが、近年は12月頃まで岩内沖でのスルメ漁が行われています。

 岩内港に属するイカ船は、漁のあるところを北上したり、南下したりします。もちろん、毎度母港となる場所まで戻って水揚げするのではなく、その土地の港に水揚げするのです。いうなれば、漁師さんの出稼ぎというやつです。

 遠くは岩内の船が長崎まで行ったり、逆に長崎の船が岩内に来て漁をしたりするのです。それを外来船と言います。

 外来船が来るということは、イカの漁があり岩内の市場でセリにかかる数量が伸びます。港も活気づきます。また、船の人たちが滞在することによって、生活費が町に落ちるという経済効果もあります。ですから、やはり海は豊であってほしいのです。

じょっぴんかける

 先日の日曜日、札幌から岩内へ帰る時に、小樽で電車からバスに乗り換えるのに、タイミング悪く、1時間も待ち時間を作ってしまいました。じっとして時間をつぶすということが苦手な私は、ここぞとばかり、散策をします。

 小樽にはアーケードの商店街がいくつかありますが、駅に一番近い都通り商店街を歩いていると、写真のように、大きな垂れ幕がありました。北海道の方言で、「じょっぴんかける」という言葉があります。

 もちろん道産子ならすぐお分かりですね。「鍵をかける」という事です。でも最近の人たちはほとんど使わなくなったなぁ~と思います。方言の強い人にとっては、「じょっぴんかる」というのが最も正しい?表現のようで、「かける」ではなく、「かる」なのです。

 語源はわかりませんが、雑学しとして道産子との会話に応用ください。12月にかけてせわしくなってきますが、不用心にならぬよう、しっかりじょぴんかけてください。

 「ちゃんとじょっぴんかって、手袋はいて、ゴミ投げてから行くベ」

いよいよ冬到来

 11月に入ってから、穏やかな天気が続いていて、冬の気配が感じられませんでした。15日の朝、ようやく雪が降り寒さもぐっと厳しくなりました。

 岩内岳を見ると、スキー場のコースが白く浮き出ています。スキーを楽しみにしている人たちは、待ち焦がれた雪でしょう。でも、大半の人は、「寒いのはいやだ」、「雪かきはしたくない」と言います。

 私自身、子供の頃は雪が降るとワクワクしていました。小学生のころは雪の中で遊ぶのが大好きでしたし、中学生以降になると、スキーができるから。でも、不思議なもので、こうしてこの職業についていると、やっぱり寒いのは体にこたえるなぁ~と思います。

 とはいえ、こんなメリハリのある四季を感じるからこそ、季節の旬というものに出会えるのですから、この季節感に感謝しなければいけませんね。美味しい旬のスケソを食べるとしますか。新ものの釣たらこをお待ちかねの皆さまは、もうしばらくお待ちくださいませ。

岩内海洋深層水をビジネスEXPOでPR

 ここ数年、毎年アクセスサッポロで行われる、ビジネスEXPOに岩内町は出店しています。今年は11月10日11日とありました。岩内の海洋深層水と工業団地をPRするのが目的です。

 小さなブースには、海洋深層水を使って商品化されたものが並べられました。その中に、弊社の「にしんのおかげ」ももちろんあります。深層水はいろいろな使われ方がありますが、水産加工では、数の子の処理に使うのが一番多いですね。弊社の数の子はさまざまな工程で、海洋深層水を使っています。

 加工品の他には、カニなどの生簀、飲料水、肥料、化粧水、トマトの栽培等にも使われています。使い方では、まだまだいろいろな商品に応用可能だと思います。

 ただ、深層水を使ったので、その分高く商品が売れるかというと、そう簡単ではありませんね。でも、私は岩内に深層水がある以上は、使い続けてその良さを消費者の皆さまに分かっていただきたいと思います。PRの仕方が下手と言われればそれまでですが。

 

 

 

「にしんのおかげ」のきのこパスタをいただきました

 食の雑誌choi-plus(ちょいぷら)2011年秋号で紹介された「にしんのおかげ」【ブログ9月10日付】。札幌のレストラン、中国厨房GENさんのシェフ神さんが、にしんのおかげを使ったパスタを紹介しています。先日、そのパスタをいただいてきました。

 普段のメニューにはないのですが、その時の企画として、「美味いっしょ北海道」を使ったシェフのまかないパスタ。というものが載っています。私は神シェフとは面識がなかったのですが、にしんのおかげを選んでいただいたお礼を一度したかった事と、写真のパスタがとても美味しそうだったので、食べてみたいとお願いしました。

 半熟の卵を割って、とろりと卵黄を絡ませて食べると、なんとまぁ美味しいこと!きのこの味とパスタのゆで具合もすべてが絶妙なバランス。にしんのおかげが味に深みをつけている。うーん、お料理番組のような上手な表現ができないのが悔しいと感じるほどです。

 化学調味料を使わない主義のシェフ。利尻町出身でお父さんは漁師。そんなこともあって日本海で生まれた「にしんのおかげ」の良さを最高に引き出してくれたと思います。今度は普通のメニューも楽しませていただきたいと思います。みなさんも、ぜひお店に足を運ばれてはいかがでしょう。札幌円山公園駅からすぐです。

  • 中国厨房GEN   
  • ℡011-215-8335
  • 札幌市中央区南2条西24丁目2-3
  • 営業時間11:30~14:00 18:00~23:30
  • 定休日 火曜日

 

マラソンの応援

 マラソン大会に出ていつも思うのですが、走らないで応援している人ってすごいですよね。私にはできないことです。なぜって、いつ来るのかわからないのに、じっと大勢のランナーの通り過ぎるのを見つめ、お目当ての人を探し出して、応援する。これって、すごいエネルギーがいることだと思います。

 お目当ての人が、恋人のような人で、恋焦がれて待っているなんて間柄ならわかるのですが、普通はそうではないですよね。それでも応援が好きだという人も知っています。数年前の北海道マラソンで、突然「紀さん、頑張って!」と声をかけてくれました。少し並走しながら、「私は○○といって、岩内の高台小学校で教師をしていました」と言ってくれたのです。

 その後、お手紙をいただき、交際?が始まりました。以後毎年一番苦しい距離のところで応援をしてくれるのです。私の記録もちゃんと手帳に記録してくれていて、昨年より良かったですねとか、感激のお手紙をいただきます。今も無意識にその先生の声を励みに新川の直線をひたすら前進します。

 見ず知らずの人が、「頑張って!」と言ってくれるその一言。「あと少しだよ」「ナイスラン!」なんてタイミングのいい声のかけ方なんだろう。振り返れば、そんな声をかけてもらって辛い瞬間を何度乗り越えたことでしょう。今までは、声をかけてもらうだけでした。声をかけてもらうことに慣れてしまったことに、今年の夏は反省しました。もう一度、そんな純粋な気持ちを思い出して、応援を受け止めます。そして、私も一言でエネルギーが出るような応援ができるランナーになりたいです。

 写真は2008年北海道マラソンの応援風景。北海道新聞掲載。

岩内町の日本アスパラガス株式会社が省エネ大賞受賞

 岩内町には、日本アスパラガス株式会社(通称:ニチアス)という会社があります。現在はペットボトルや缶などの飲料品の製造をしています。実は、今飲んでいるこの缶コーヒーは、この会社で作られていたなんて事はよくある話です。それほどのシェアを持っている会社です。

 このたび、北海道での省エネ大賞を、日本アスパラガス株式会社さんが受賞いたしました。先日のビジネスEXPOでも表彰されました。すごいですね。内容は、缶詰殺菌の排水熱をヒートポンプを導入して、有効利用したとのことです。

 飲料水を作っている会社なのに、なぜアスパラなの?って思いますよね。岩内はアスパラガスの発祥の地ともいわれている場所なのですが、アスパラガスの缶詰を作ることが会社設立の発端でした。時代が変わり、缶詰のマーケットが縮小。反対に、ペットボトルやさまざまな飲料品が次々と出て来るのに対応。先端の設備投資をし現在に至っています。

 この商売はやはり、「水が命」です。岩内の水は美味しいですし、地下水もニセコ連山を控え、豊富です。その水で商売をしているのです。私たち水産加工屋も同じ水商売ですが、ちょっと商売のスケールが違うなぁ。まずは、省エネ大賞おめでとうございます。

My だし醤油 の作り方

 11月3日、調味の日に行われた、調味料選手権のお話は、11月7日付のブログでお話しました。そこでは弊社の「にしんのおかげ」が入賞となったご報告をさせていただきました。

 その会場で、面白いものを見つけました。「Myだし醤油」を作りましょうというコーナーです。300円で、ちょっと大きめのビンをいただきます。鰹節、スルメ、昆布、干ししいたけ等たくさんのうまみの素材が並んでいて、それらを好きなだけビンの中に入れます。空間を残すともったいないと思った私は、どんどん何でもござれだと入れてしまいました。担当の若い女性に笑われてしまいました。

 家に帰ってから、普通のお醤油を入れて数時間置いておくと、なんとまぁ、旨みの強いお醤油ではありませんか。ちょっと癖になりそうなだし入り醤油です。一度使っても、またお醤油を入れれば、また使えます。

 化学調味料で簡単に入れて旨みを出す食品が、あまりに当たり前になってしまいましたが、本来はこういった旨みの組み合わせで美味しさを出すのが、お料理なのでしょうね。にしんのおかげが評価されたのは、この辺にあるのかな?