月別アーカイブ: 2012年1月

スケソのみりん干し

 工場では現在スケトウダラのみりん干しの製造をしています。古くから岩内の加工屋の伝統を受け継がれた技術と味です。

 製造方法は、スケソを尾の部分を残し3枚卸にします。皮を引いて白身の部分だけになったら、尾の部分を束ねて、秘伝の蜜に漬込みます。翌日それぞれがくっつかないように干して約一週間。この3枚に卸す作業が熟練の技なのです。スケトウダラは、お腹の部分の卵の部分を骨でガードしているので、骨が三角形になっています。ですから、難しいのです。

 子供の頃は、よくおやつ代わりに食べました。今はオープントースターでちょっとだけ炙ると、香ばしい匂い。縦の繊維に沿って引き裂くと細くて柔らかくなって食べやすいのです。これがビールや日本酒に合うのです。

 興味が出てきましたら、一八の商品の案内へどうぞ。ホームページには、お徳用の1050円のものだけを載せていますが、少量パックのものもありますので、お問い合わせください。いわない道の駅や北緯43度というお土産屋さんにも置いています。

昭和46年1月号の広報いわない

 またまた弊社事務所2階から出てきた、広報いわない。昭和46年1月号ですから、41年前です。私は9歳の時ですね。

 ページをめくると、当時の岩内町長の長濱金太郎さんと、町議会議長の青山栄さんの挨拶が載っています。次のページには、昭和45年の町内10大ニュースが写真付きで載っています。人口は27,000人。今よりも12,000人も多い時代でした。

 10大ニュースで目に付いたのは、改良住宅550戸の建設が完了、これにより岩内大火(昭和29年)の後始末として、もっとも大きな課題であった応急仮設住宅が全部解消されましたと書かれてあります。16年も仮設住宅に住んでいた方がいたという事なのですね。

 もう一つ、ちょっと笑っちゃうのが、10大ニュースを募集して55人が応募したと書かれてあります。昨年の岩内の10大ニュースは31人の応募だった事は、このブログでも取り上げましたが、10大ニュースの決め方が今も41年前と同じやり方なのかと、びっくりです。

吹き溜まりの雪

 南国の都会の皆さまは、吹き溜まりという言葉をどのように理解するでしょうか。雪国にとって、吹き溜まりとは、雪が風によって、ある場所に固まることを言います。

 道路では吹雪のひどい時、この吹き溜まりによって交通障害になることがあります。除雪が遅れているところを走っていると、突然雪に突っ込んで、ヒヤッとした経験をした人は少なくないと思います。

 写真は、小さな吹き溜まりですが、弊社事務所の前です。風の通り道がわかりますね。降雪がなくても、朝、このような吹き溜まりの雪を除雪しなければなりません。

 この吹き溜まりの雪は、建物の配置によってもできる場所が違います。風の通りの問題ですね。場所によっては、芸術作品のような見とれてしまう流線型になった吹き溜まりなどもあります。風の強い地域ならではの景色です。これって、観光資源にならない?

水産加工屋さんの専門用語

 どの職業においても、その業界の人でなければ分からないという専門用語が存在します。御自身では、一般的に使われている言葉と思っていても、実は専門用語だったなんて事は経験ありませんか?

 水産加工においては、いろいろありますが、代表的な言葉は、「ガラ」という言葉でしょう。魚の内臓、卵を取り除いた親の身だけの事を言います。内臓が入っている、そのままの状態を「マル」と呼びます。【写真はニシンです。上がマル、下がガラ】

 語源はたぶんあると思いますが、どなたか正確にご説明できる方がいらっしゃったら、教えてください。鳥ガラ、豚ガラと言う言葉がありますが、鳥、豚の骨の事を云うので、魚とはちょっと違いますね。人柄が悪いという表現がありますが、むしろそちらに近い気がします。

 スケソに至っては、ムトという呼び方もあります。これは漢字で「無頭(むとう)」と書きます。漢字で書かれれば、わかりますね。頭をカットしてある状態を言います。

 さて、皆さまの業界では、どんな面白い専門用語があるでしょう?

岩内の地域限定焼酎「たら丸」

 一時の地ビールブームは去ったものの、その地域ならではの食べ物、飲み物を作りだす流れは、観光の独自性を出すためには、なくてはならないものだと思います。

 地域限定のお酒、ワイン、ビール、焼酎というものが今では観光にはセットになっていますね。旅行者は、訪れた町の飲食店、または宿で、その土地のものを飲み食いする。お土産には、その土地のものを買って帰る。アルコールも同じです。

 では、岩内の地域限定のアルコールには、何があるでしょう?すべてあります。日本酒は「いわない怒涛」、ワインは「いわないワイン」、ビールは「岩内地ビール」、そして焼酎は岩内町のゆるキャラの名前そのものの「たら丸」です。

 正直に申し上げますと、これらは岩内町にある会社で作られたものではありません。近隣の町の醸造所で作られたものですが、原料は岩内産を使用しています。いわない道の駅には、それらがそろって販売されていますので、お立ち寄りの際には、お買い求めを。

 言い忘れました。それらのアルコールには、一八興業水産株式会社の「にしん伝心」がおつまみとして、ぱっちりな相性です。

冬の日本海

 この一週間は、寒波の影響で、地方によっては大雪に悩まされたり、低温による水道凍結などの被害が出ているところもあるようですね。

 岩内は倶知安のような豪雪にはならないものの、それなりの雪が降り、風が強く吹雪で視界が悪くなります。軽い雪なので、風で飛ばされて真っ白になるわけです。

 写真は岩内町の野束地区の海岸から撮ったものです。海は、光の指し方によっては、濃紺、澄んだ水色などに見えます。そして、波の高さによって、打ち砕かれた波は白さの幅を変えていきます。

 普段、この風景を見慣れている近隣の人たちは、寒い、辛いと言うことでしょう。でも、都会の皆さまにとっては、自然のなすこの力は、神秘的に写るのでは思います。

 画像ではなく、実際にこの場に立って、風と寒さを感じながら見てください。きっと何かを感じるはずです。地元の人にとっては、この場にたたずむだけで、「ぱっかじゃねぇの」と言うことでしょうが。岩内町の冬の海、ぜひ一度ご覧ください。

岩内円山スキー場の山小屋

 昨年12月から日曜日の話題は、岩内のスキー場について連載しています。本日は、先週に続いて円山(観音山)のスキー場についての続編です。

 いわないスキー場が1980年にできる前までは、円山と呼ばれるところで町民はスキーを滑っていました。先週は、ロープ塔が設置され、それを利用して滑っていた事をお話しましたが、今週は休憩所についてです。私のかすかな記憶で書きますので、違っていたら、お知らせください。

 小さな小屋の真ん中の部屋では、ダルマストーブが部屋の中央にあり、その周りを木でできた椅子が囲んでいました。ストーブの上部には、大きな金網が吊ってあり、そこに濡れた帽子や手袋を乗せて干します。

 奥には、近くに住んでいたおばさんが、ラーメンなどを作ってカウンターで食べることができました。ただし、日曜日のように、たくさん人が来る時だけの営業だったような。ほとんどの人は、おにぎりをリュックに詰めて持ってきました。もちろん、自動販売機などはありません。

 トイレはもちろんポットン式で、日没になると、それなりに薄気味悪くなります。ストーブの火の管理は、誰ともなく、最初に来た人がマッチで新聞紙、焚きつけを組み合わせて上手に火を付けました。帰りは空気穴を閉じて、最後に残った人が火を消して帰りました。

 私が中学生、高校生の時代ですから、この小屋の管理がどのようになっていたのかはわかりません。ですが、だれしもが、当たり前のように使い、暗黙のルールで使っていた記憶があります。現在のように、何かあるとすぐに町の管理が悪いなどとわめく人などいません。

 写真は、先日の夕方に撮ってきました。行く前は、まだこの小屋は残っているのだろうか?と思いましたが、ありました。岩内高原ホテルに行く時に、左折しますが、そこの交差点のすぐ奥にあります。

 今は、雪でたっぷり埋もれています。写真を撮る時は、ひざ上までの雪をラッセルして進みました。屋根の真中に煙突があります。そこから見える煙が、当時のスキー少年にとっては、とてもワクワクさせる狼煙(のろし)でもありました。

 この小屋を見ているだけで、当時のスキーでのいろいろな出来事がフラッシュバックします。あるシーンです。ロープ塔に乗るのに並んでいた時、私の友人に3月14日はスキーに来るかい?と尋ねたら、「ホワイトデーだから、来ない」と言われました。なにそれ?女性には縁がなく、スキーどっぷりの私には、理解できない発言でした。

 と、どうでもいいことをまた書いてしまいました。この小屋を見ていると、また変なシーンを思い浮かべそうです。皆さんはいかに?

お寿司屋さんの座敷椅子

 岩内町には、たくさんの美味しいお寿司屋さんがあります。ほとんどのお寿司屋さんの2階では、座敷の個室を作っていたり、宴会ができるようにしてあります。

 以前は、座布団を敷いてあぐらをかいての宴会でしたが、最近は写真のように、座敷椅子を使うのが多くなっています。年配の方は、「ひざが楽でこの方がいいんだよ」と言う方が多いです。

 テーブルもその高さに合わせるために、以前のものに金具で足の部分を取りつけられるようになっています。座布団使用の時は、その部分を外せばいいのです。なるほど。

 昔はホテルうきよ、ホテルいのう、という大きな結婚式ができるホールがあり、そこで各種の新年会等が行われていたのです。今は、お寿司屋さんの二階でやるのが多くなりましたね。

 岩内でこの座敷椅子でお寿司を食べたいという方は、各お店に予約の上、座敷椅子の個室で食べたいとお申し出ください。お客様、読んでいて、よだれが出てますよ。

東北のお魚のカレンダー

 毎年、取引している全国の卸売市場からカレンダーが届けられますが、その中で表紙に東北で獲れる魚介類が並べられているものがありました。

 各月では、それらの拡大図が描かれています。写真ではなく絵ですが、本物そっくりの描写です。一応、すべて絵と名前は一致しました。「北のお魚大使」の勉強で理解したもの。岩内町の市場で覚えたものなどです。

 東北の魚なので、北海道とは違った魚が並ぶのかと思いしや、ほとんどが北海道で獲れるものと同じでした。でも、年々海水温が上昇している事を考えると、20年後くらいには、南の魚がこれに取って代わるなんてことになるかもね。

 マダラ、マガキ、マダイなど、マなんとかという名前が多いのは、魚の名前の特徴ですね。北海道特有のものには、エゾなんとかという名前がありますが、マなんとかというのは、本流の種と考えるほうがいいのでしょうか。人間に例えると、あなたはニホンジン?ホッカイドウジン?イワナイジン?

平成24年の蔵開き

 毎年、1月11日は蔵開き。もう新年になってから、とっくに営業冷蔵庫は荷物の出し入れをしているのに、蔵開きとは、いかに?と屁理屈を言うのは、私くらいなものでしょう。

 昔は営業冷蔵庫だけでなく、個人の水産加工業者などでも、自前の冷蔵庫の蔵開きの儀式を行ったので、宮司さんは朝から忙しく回ったとのことです。廃業などで、年々その数も減っているようです。

 写真は、蔵開きの儀式の祭壇です。それぞれ意味があるようですが、皆さまはお分かりでしょうか?今回は終わった後に少し教えていただきました。野菜のお供えは、匂いのするニンニクなどの野菜は使ってはいけないとのことです。それだけ?まぁ、ちょっとずつ覚えていきましょう。

 今年も一年、苦しい時だけの神頼みではなく、普段からいろいろな事に感謝する気持ちをもって、神様にお参りいたしましょう。あら、今日はずいぶん真面目なまとめ方でしたね。