新聞を見ていると、毎年同じような記事が掲載されるものがあります。季節の風物詩となる代表的なものが取り上げられますが、水産の業界紙「みなと新聞」では、5月上旬となると「ニシン特集」が紙面を大きく使います。
山菜の時期となると、身欠にしん。フキや竹の子との炊き合わせは言うまでもありませんが、福島では山椒漬けというのが有名で、各家庭に陶器の専用器があって家庭で漬けるのが一般的です。
先日、京都の市場担当者とお話をして初めて知ったのですが、京都では身欠にしんを焼いて食べる習慣がないそうです。北海道では、焼いて大根おろしとお醤油で食べるのが一般的ですが、京都はナスとの炊き合わせなど「焼く」ではなく、「煮る」「炊く」とのこと。
ですから、焼く食べ方をしてもらえれば、もっと身欠鰊は食べてもらえるはずだと。こういったお話を聞くと、つくづく食文化というのは難しいものだと感じます。いろいろなお魚の価格が上がっているのに、ニシンは安値安定商材です。ということで、一八の身欠を買って食べてね。