岩内沖、檜山地方で漁獲されるスケトウダラ。日本一美味しいたらこを作るために、釣(はえ縄)漁で獲ることが、そうでないものとの鮮度の違いが出てきます。
小学生が社会見学で工場にやってきて聞く質問があります。「魚の鮮度はどうやってわかりますか?」と。水産の専門家なら、ATP(アデノシン3リン酸)のK値の測定法というものがあるのをご存知でしょうが、このお話はまた今度。
小学生にわかる解説としては、
1.うろこがしっかりついている。
2.えらの赤い部分が黒くなっていなくて、真っ赤なほうがよい。
3.目が濁っていない。
写真は、岩内の釣スケトウダラ漁で獲れたものです。いかがでしょう?えらの部分は写真ではわかりませんが、うろこはしっかりまだら模様になっています。網スケソの場合は、このまだら模様がこすれてなくなっています。また、目は子供の目のように澄んでいます。私たちのようないろんな社会の汚い部分を見てきた濁った目ではございません。真中のスケソは釣であることを証明するように、口に釣針が残っていますね。
スケソは鮮度低下が早いので、時間経過とともに、うろこが落ち、えらの色も黒ずんで、目も白く濁ってきます。その変化の前に、たらこの原料である卵を取り出します。
漁師さんたちは、この手間がかかる釣の漁をして、鮮度の良いスケソを水揚げしています。加工場では、そのスケソをすぐに腹出し作業へと進みます。ですから、輸入もののたらこや、網のたらことは違い、お値段も高くなってしまいます。「釣たらこ」をお買い求めになるお客様、どうかこのことをご理解の上、お買い求め願います。