昭和29年の岩内の大火は町を3分の2を焼き尽くす大災害でした。多くの死傷者を出し、一夜にして財産が消えた歴史に残る大災害でした。しかし、今回の東日本を襲った地震と津波は岩内大火の被害を大きく超えるほど広範囲に、さらに原子力発電所を含めた災害となる近代型の災害となってしまいました。
今回わずかな揺れで済んだ岩内の町では、その災害をどうとらえるでしょう。弊社で作る身欠にしんや数の子などの商品は、ほぼ毎日本州に出荷しています。消費地の一部は被災地でもあり、現在通行止めになっている道路も重要な物流のルートとなっています。
消費地の被災は、そのまま経済活動への直撃であり、直接の被害がないから安心だという発想は愚答としか言えません。また、岩内は近くに泊原発というものが存在し、いつわが身も同じ状況になってもおかしくありません。
終日被害状況を報告するテレビを見ていて、何か私たちに出来ることはないかと思う人たちはたくさんいると思います。どんな形の手助けができるのか、被災地では何を求めているのか。手助けと思ったことが逆に現場の仕事を増やしてはいけない。余計なお世話にならない本音の言葉を、被災地のみなさんは発信してください。