身欠にしんを戻すのになぜ米のとぎ汁なの?

 米のとぎ汁で身欠にしんを戻してくださいという能書きが書かれてあるのを、読んだことはあるでしょうか。保存食として江戸時代から重宝されていた身欠にしん。昔は本乾と言われるカラカラになったものしかありませんでした。

 そのカラカラになったものを、米のとぎ汁で戻し、柔らかくしてから、いろいろなお料理に使っていただくのがベストです。しかし、昨今は、その手間を嫌い、料理済みの商品をお買い求めになる方も多くなりましたね。

 米のとぎ汁がなぜよいのか?やわらかくするという意味の他にもうひとつ。身欠にしんが持つ特有の渋みや臭みは乾燥中に酸化が進み過酸化脂質が増えます。米についている糠には、リパーゼという脂肪分解酵素があるゆえに、酸化した脂質を吸着して取り除く力があるからです。すごいですね。リパーゼです。覚えておきましょう。

 糠の成分に脂肪分解酵素というなら、何も米のとぎ汁でなくてもいい訳です。米ぬかを水に溶かしてもいい訳です。一般的な御家庭を想像して、米のとぎ汁なら毎日御家庭から出るだろうということからですね。

 手間をかけるとお料理はもっと美味しくなりますよ。身欠にしんのお料理、食べたくなりましたね。弊社ホームページにお料理集がありますので、御活用ください。

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