20年前、私がこの仕事に就いた時は、岩内海産商協同組合という団体には大小50を越える企業がありました。そのまた昔はもっとたくさんの企業が存在していたとのことですから、岩内の水産加工は町にとって中心となる産業であったことは確かです。
前浜での加工原料であるマス、スケトウダラの漁をする船が漁獲減少とともに減り、それによって加工業者も仕事の原料を他地域からの買い入れ、さらに輸入といった形態に変化していきました。
当然、輸入原料を扱うことになると、他地域との競争も必至。世の時代の流れは低価格路線となり、やむなく廃業となる会社が出てきました。
写真は、岩内町御崎地区で大きく商売をされていた加工場です。社長が亡くなり後継ぎもないために、廃業を決意され、取り壊しています。残念ですね。一八は歴史があるから・・・と言って生きていられる時代ではありません。存続という言葉の重みは、こんな取り壊しの風景を見せられると、ずっしりと感じてしまいます。