マラソン大会に出ていつも思うのですが、走らないで応援している人ってすごいですよね。私にはできないことです。なぜって、いつ来るのかわからないのに、じっと大勢のランナーの通り過ぎるのを見つめ、お目当ての人を探し出して、応援する。これって、すごいエネルギーがいることだと思います。
お目当ての人が、恋人のような人で、恋焦がれて待っているなんて間柄ならわかるのですが、普通はそうではないですよね。それでも応援が好きだという人も知っています。数年前の北海道マラソンで、突然「紀さん、頑張って!」と声をかけてくれました。少し並走しながら、「私は○○といって、岩内の高台小学校で教師をしていました」と言ってくれたのです。
その後、お手紙をいただき、交際?が始まりました。以後毎年一番苦しい距離のところで応援をしてくれるのです。私の記録もちゃんと手帳に記録してくれていて、昨年より良かったですねとか、感激のお手紙をいただきます。今も無意識にその先生の声を励みに新川の直線をひたすら前進します。
見ず知らずの人が、「頑張って!」と言ってくれるその一言。「あと少しだよ」「ナイスラン!」なんてタイミングのいい声のかけ方なんだろう。振り返れば、そんな声をかけてもらって辛い瞬間を何度乗り越えたことでしょう。今までは、声をかけてもらうだけでした。声をかけてもらうことに慣れてしまったことに、今年の夏は反省しました。もう一度、そんな純粋な気持ちを思い出して、応援を受け止めます。そして、私も一言でエネルギーが出るような応援ができるランナーになりたいです。
写真は2008年北海道マラソンの応援風景。北海道新聞掲載。