日本海産のニシン

 今日は、道総研中央水産試験場の山口幹人さんという方のコラムをもとに、日本海産のニシンについて書きます。

 ニシンは春告魚とも呼ばれるように、春になるとやってくる魚でした。しかし、石狩湾系のニシンについては、1月から漁が始まり、2月3月をピークに、春にはいなくなってしまうようです。すなわち、「春去魚」なのです。

 昔、日本海をにぎわしたニシンは、北海道サハリン系群と呼ばれ、現在の石狩湾系群とは違うグループになります。要するに、遺伝子が違うのですね。サハリン系は回遊範囲が広く、石狩湾系は回遊範囲が狭いとされています。狭い分だけ、資源管理がしやすいという利点があります。

 資源管理の具体策として、①稚魚を放流する ②網の目を大きくして、小さなニシンをとらない ③漁を早めに打ち切る といった事をしているとのこと。

 獲れるだけ獲ってしまえという考えは、過去の教訓からしないほうがいいと漁師さんたちも理解してくれたと思います。このような管理は日本は遅れていると私は以前から感じていました。

 よーいドン!の漁獲ではなく、科学者と一緒になって、のちのち自らが利益が出るために、どのような漁獲の方法がいいのかを決めることができるようになった事は、とてもいいことだと思います。ニシンで実績を作り、いろんな魚種での管理が進み、結果として安定した漁獲が出来ることを願います。

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