サケの婚姻色への変化

 サケが生まれた川に戻ってくるお話は、みなさんよくご存知でしょう。川は淡水、海は海水なので、遡上する前に徐々に淡水に体を慣らしていかなければなりません。

 ですから、河川の入り口付近で、遡上せずにサケがのんびりしているように見えるのは、淡水にならそうとしているのですね。登山で言えば、高度順化するのに、ペースキャンプでしばらく体を慣らすのと一緒です。

 同時に、子孫を残すためのオスメスの体つきがどんどん変化していきます。写真でもおわかりのように、体色も下から銀毛だったものから、黄褐色へと変化していきます。婚姻色とも呼ばれています。人間の視点で言えば、ブナ化すると言います。ブナ化が進めば、それだけ美味しくなくなります。

 産卵のためにほとんど餌も食べずに、遡上するために、今まで蓄えていた栄養をどんどん使ってしまうからです。そんな生命力は凄いですね。今年の漁はあまり多くはないですが、サケの切り身を召し上がる時、ちょっとそんな生命力を感じながら、お召し上がりください。

サケの婚姻色への変化」への2件のフィードバック

  1. 山川貴子

    さすがお魚大使さんですね。
    鮭のエネルギーと環境適用能力の神秘ですね。
    で鮭をいただく前にそのことを思い出すのは食べにくくなりそうですが、自分がいつも命をいただいて生きているということだけは忘れてはならないと思います。

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    1. 北のお魚大使

      そうですね、想像すると食べにくくなりますよね。
      まぁ、食卓の話題にしていただけると、それだけでも興味が出て、他の魚はどうなんだろう?なんて次につながりますね。

      返信

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